お蔵入りとなっていた高橋悠治と富樫雅彦のデュオのスタジオ録音(’88)のマスターが発見されリリースされた。この録音で高橋はシンセサイザーとサンプラーを、富樫はドラムセットから解放されたパーカッションセットを演奏する。本作の前(同年)と後(90年代)に収録されたライブ録音がリリースされており、デュオの様々な形に触れることができる。彼らのデュオが録音され始めたのは“トゥワイライト”の’76年頃だったが、本作もまた佐藤允彦が〈“自分で考える”人間が増えるに従って、ゲームが興味深い結果を生む機会も増大する〉とそのライナーで指摘した〈興味深い結果〉のひとつなのだ。