Page 2 / 2 1ページ目から読む

1. METAL KINGDOM

大合唱必至のオープニング。壮大に作り込んであるトラックなのにSU-METALの歌唱がおだやかでどことなく冷静なのが、新章開始という感じがしますね。
『METAL GALAXY』以降、一見フルパワーでやっているようで超余裕でやってのけている感じが顕著で、多大なトレーニングの裏付けによる余力みたいなものを感じていますが、それですよね。

2. Divine Attack - 神撃 –

この、空も海も切り裂くロングトーンが聴きたかった。1月の幕張でも演奏していましたが、これから定番になるでしょうか。始まりを告げるような、新しい旅立ちを鼓舞する曲。SU-METAL作詞です。

3. Mirror Mirror

BPMが速いのがきました!
サビ前がとっても格好良いです。このままゴリゴリなのかなと思ったら、サビで景色がいきなり大きく広がるのが気持ち良いですね。
これは、ライブの時は観客が走るやつかな……。中間でハーフタイムになる時のベンドの沈みも盛り上がりそう。きっとライブパフォーマンスでは一体感を持てそうですね。

4. MAYA

ブリング・ミー・ザ・ホライズンライクなラウドなイントロから優しく入る歌声、このギャップが新鮮。今作は全体的にSU-METALの声の柔らかさを感じて、少し達観した感じで良いですね。これも早くダンス入りで観たい。

5. Time Wave

ビリー・アイリッシュの“bad guy”的なアプローチ。BABYMETALで囁き声というのは珍しいですね。イヤホン聴取が多くなった近年は、耳元に語りかける囁き声や、4つ打ちが急激に止まるアレンジが増えましたが、それをBABYMETAL風に応用した感じです。

6. Believing

全編英語歌詞で、全編にわたって歌にコーラスやレイヤーが敷かれており、ヘヴィなサウンドに歌が重層的に重なっていく様は、どこか未来的です。ダンスが付いたらまた印象が変わるのかもしれません。

7. METALIZM

昨年10月、映画「RRR」にしっかりハマった私は、この“METALIZM”を聴いて〈ナートゥをご存知か!〉と思いました。テンポ感は、同じ監督の映画「バーフバリ 王の凱旋」のとってもファンタジックなシーンで使われている“Ore Oru Raja”と同じですし、とにかくこの曲は私の好きなインド映画ポイントを突かれて参った、という感じです。

8. Monochrome

昨年先行配信されていた曲。1月の幕張のライブでは、モノクロ演出が美しくて、それが冷たいクールなモノクロではなく、体温やぬくもりを感じるようなもので、ライブ演出込みでとても好きになりました。映画のエンディングに出てきそうな曲ですね。

9. Light and Darkness

1月の幕張のライブで初披露された曲で、私はそのダンスに非常に心奪われました。円的な動きと線的な動きがミックスされ、とても繊細で大人な表現のダンスになっており、メンバーの表現力の熟成を待ってこのダンスになったんだろうなと、昔ではできなかった表現だなと感じ入ったんですよね。

10. THE LEGEND

おごそかな中音域からの始まり。『METAL RESISTANCE』における“THE ONE”『METAL GALAXY』における“Shine”と同様に、“THE LEGEND”はモーダルインターチェンジを使って壮大に作られた曲で、明るさと暗さ、優しさと厳しさが同居した、アルバムの総まとめを引き受ける曲となっています。
曲が終わったら〈To be continued...〉と字幕が入るところまで見える。
ということで、私の感想は〈あ、まだBABYMETALはもっと続くな、良かった〉という感じでした。

1月に幕張メッセで〈BABYMETAL RETURNS -THE OTHER ONE-〉のライブを観た時、新曲のダンスが大きくアート寄りになったなという印象を受けました。
ダンスで表現できることが格段に増え、歌と楽曲だけでも出来上がっている世界観をダンスでさらに押し上げてスケールの大きな世界にする。それを一度ライブで観てしまうと、アルバムを聴くだけでなく、ダンスを観てこそ完成するのだろうなと、想像してしまいます。

今回は〈METAL〉とタイトルに付いていないコンセプトアルバム。
今までのような、遊び心や〈なんじゃこりゃ!?〉精神、バンドサウンドで人力で突破する曲とは一線を画し、作り込まれた世界観に、ただただ聴き入ってしまう曲が並びます
しかも、パッケージに従来のBABYMETALのロゴもはっきり出ておらず、今回のアルバムはそういう立ち位置のものなのでしょうね。
今後どうなっていくのかわかりませんが、2014年にBABYMETALを知って以来、見守る、待つ、付いていくのが私のBABYMETALファンとしての仕事と思っていますので、今後の展開を楽しみに見守っていきたいと思います。

 


RELEASE INFORMATION
■BABYMETAL

BABYMETAL 『THE OTHER ONE』 BMD FOX(2023)

リリース日:2023年3月24日(金)
タワーレコード特典:ステッカー
※全世界同時リリース
※JAPAN EDITIONは2023年3月20日より順次入荷。ただし店舗によって入荷日およびECサイトでご予約いただいたお客様への商品の発送日は異なります。あらかじめご了承ください
※2023年3月24日(金)よりダウンロード&ストリーミングも全世界同時配信

■完全生産限定盤(CD+復元パズル)
品番:TFCC-86889
価格:5,500円(税込)
アナログサイズ特殊パッケージ仕様

■通常盤(CD)
品番:TFCC-86890
価格:3,300円(税込)
初回生産分のみクリアケース・クリアブックレット仕様

■アナログ盤(完全生産限定)(LP)
品番:TFJC-38115
価格:4,950円(税込)
クリアジャケット・クリアヴァイナル仕様

TRACKLIST
1. METAL KINGDOM
2. Divine Attack - 神撃 -
3. Mirror Mirror
4. MAYA
5. Time Wave
6. Believing
7. METALIZM
8. Monochrome
9. Light and Darkness
10. THE LEGEND

『THE OTHER ONE』Special Website:https://www.toysfactory.co.jp/artist/babymetal/theotherone/

 

LIVE INFORMATION
■西山瞳
2023年3月25日(土)蕨 Our Delight
開場/開演/終了:18:30/19:00/21:30(予定) ※2セット、入替なし
出演:西山瞳(ピアノ)/橋本一子(ピアノ)
チャージ:4,000円
有料配信:https://twitcasting.tv/f:2943838705694855/shopcart/220573
※予約で満席となりましたが、有料配信があり、2023年4月1日(土)まで購入・視聴可能です。ぜひご利用ください

西山瞳 × 東かおる『Faces』Live
2023年3月28日(火)大阪 Mr. Kelly’s
開場/開演:18:00/19:30(1st)/21:00(2nd) ※2セット、入替なし
出演:西山瞳(ピアノ)/東かおる(ボーカル)/萬恭隆(ベース)
チャージ:3,500

2023年4月7日(金)埼玉・蕨 Our Delight
開場/開演/終演:18:30/19:00/21:30(予定) ※2セット、入替なし
出演:西山瞳(ピアノ)/酒井麻生代(フルート)
チャージ:4,000円
有料配信:https://twitcasting.tv/f:2943838705694855/shopcart/220573

2023年4月21日(金)東京・池袋 Apple Jump
開場/開演/終演:13:30/14:00/16:30(予定)
出演:西山瞳トリオ 西山瞳(ピアノ)/西嶋徹(ベース)/則武諒(ドラムス)
チャージ:3,200円

★詳細とその他のライブについては西山瞳のオフィシャルサイトへ

 

RELEASE INFORMATION
■西山瞳

西山瞳 『ホームタウン』 MEANTONE(2022)

リリース日 :2022年11月9日(水)
品番:MT-11
価格:2,750円(税込)
紙ジャケット仕様

TRACKLIST
1. Fairy Tale フェアリー・テイル(作曲:西山瞳)
2. Take the “K” Train テイク・ザ・ケー・トレイン(作曲:西山瞳)
3. Yawn ヨーン(作曲:西山瞳)
4. Walking in the Park ウォーキング・イン・ザ・パーク(作曲:西山瞳)
5. 200km 200キロメートル(作曲:西山瞳)
6. HIRAKATA Park West ヒラカタ・パーク・ウェスト(作曲:西山瞳)
7. Our Memorial Attractions アワ・メモリアル・アトラクションズ(作曲:西山瞳)
8. Romance ロマンス(作曲:西山瞳)

録音日:2022年4月18日、奈良 NMG Studio
録音/ミックス/マスタリング:三輪卓也(NMG Studio)
アートディレクション/平岡直樹(yuu)

西山瞳(ピアノ)
鈴木孝紀(クラリネット)
光岡尚紀(ベース)

 


PROFILE: 西山瞳
79年11月17日生まれ。6歳よりクラシックピアノを学び、18歳でジャズに転向。大阪音楽大学短期大学部音楽科音楽専攻ピアノコース・ジャズクラス在学中より、演奏活動を開始する。卒業後、エンリコ・ピエラヌンツィに傾倒。2004年、自主制作アルバム『I’m Missing You』を発表。ヨーロッパジャズファンを中心に話題を呼び、5か月後には全国発売となる。2005年、〈横濱JAZZ PROMENADE ジャズ・コンペティション〉において、自身のトリオでグランプリを受賞。2006年、スウェーデンにて現地ミュージシャンとのトリオでレコーディング、『Cubium』をSpice Of Life(アミューズ)よりリリースし、デビューする。2007年には、日本人リーダーとして初めて〈ストックホルム・ジャズ・フェスティバル〉に招聘され、そのパフォーマンスが翌日現地メディアに取り上げられるなど大好評を得る。以降2枚のスウェーデン録音作品をリリース。2008年に自己のバンドで録音したアルバム『Parallax』では、スイングジャーナル誌日本ジャズ賞にノミネートされる。2010年、〈インターナショナル・ソングライティング・コンペティション〉(アメリカ)で、全世界約15,000のエントリーのなかから自作曲“Unfolding Universe”がジャズ部門で3位を受賞。コンポーザーとして世界的な評価を得た。2011年発表『Music In You』では、タワーレコードのジャズ総合チャートで1位、HMVの総合2位にランクイン。CDジャーナル誌2011年のベストディスクに選出されるなど、芸術作品として重厚な力作であると高い評価を得る。2014年には自身のレギュラートリオ、西山瞳トリオ・パララックス名義での2作目『Shift』を発表。好評を受け、アナログでもリリースする。2015年には、ヘヴィメタルの名曲をカバーしたアルバム『New Heritage Of Real Heavy Metal』をリリース。マーティ・フリードマン(ギター)、キコ・ルーレイロ(ギター)、ヤング・ギター誌などから絶賛コメントを得て、発売前よりメタル・ジャズの両面から話題になり、すべての主要CDショップでランキング1位を獲得。ジャンルを超えたベストセラーとなっている。同作は『II』(2016年)、『III』(2019年)と3部作としてシリーズ化。2019年4月には『extra edition』(2019年)もリリース。自身のプロジェクトの他に、東かおる(ボーカル)とのボーカルプロジェクト、安ヵ川大樹(ベース)とのユニット、ビッグバンドへの作品提供など、幅広く活動。〈横濱JAZZ PROMENADE〉をはじめ、全国のジャズフェスティバルやイベント、ライブハウスなどで演奏。オリジナル曲は、高い作曲能力による緻密な構成とポップさが共存した、ジャンルを超えた独自の音楽を形成し、幅広い音楽ファンから支持されている。