ニュージャージー出身の5人組によるセカンド・アルバム。バーナード・ベルやキャラクターズらの制作で、ベルのオリジナルとウォルター“ムーチョ”スコットによるリミックスの2種を収めた“Judy Had A Boyfriend”など、トゥデイやベーシック・ブラックの延長線上にあるニュー・ジャック・スウィングが披露される。一方でアイズレー・ブラザーズやスウィッチのバラードもカヴァー。この後メンバー3名はメン・オブ・ヴィジョンに加入する。 *林
テディ・ライリーと80年代から縁のあるラヴァバが後見した男性トリオによる唯一のアルバム。シャイ風のアカペラや快活なアップ“Say U Like”、甘酸っぱい“Darlin, Darlin”、スティーヴィー・ワンダーのカヴァー、ややナスティな“I’ll Go Lo”までどこを切っても名唱が並ぶが、看板となるのはジェントルなハーモニーを軸にした“Old Fashion Love”など折目正しいスロウだ。圧巻の美声を響かせるマーク・ミドルトンはこの後ブラックストリートに加入する。 *出嶌
ハウスのデビュー曲“Finally”(91年)がダンスフロアを超えて世界的にクロスオーヴァー・ヒットしたオハイオ出身シンガーの2作目。彼女自身の志向も受けて全体のバランスをR&B寄りに整え、ややマライア風味の瑞々しい“I’m In The Mood”などがポップに仕立てられている。ブライアン・マックナイト作の甘いバラード“Forever In My Heart”、サー・ジンクスによるメロウ・チューン、デヴィッド・モラレス製のメロディアスなハウスまでパンチのある歌唱力が冴え渡る一枚だ。 *出嶌
カシーフやSWVの楽曲でペンを交えていたジーナ・ゴメスを含む女性クァルテット(略称E.V.E.)が日英のみでリリースした本国未発表のデビュー作。近年はマニー・ロングの出世に貢献したクーク・ハレルがレイニー・スチュアートと手掛けた“Groove Of Love”、マーク・ネルソンらが制作した“All Because Of You”など、滑らかで弾力性のあるヒップホップ・ソウルが並ぶ。ガソリン・アレイの同僚シャイを迎えたミッド・バラードも上々だ。 *林
エディ・Fがネヴィル・ホッジやピート・ロック、スパンク・ビガ(近年はポップ・スモーク仕事でお馴染み)ら地元の仲間と組んだヒットメイカー集団、アンタッチャブルズのオムニバス的なリーダー作。関係が拗れる前のビギーと2パックがマイクを回す“Let’s Get It On”の収録作として知られる一枚だが、イントロやチェンジング・フェイセズといった人気グループやフェリシア・アダムズ、ラフェイスに移籍するマッド・ドラマやドネル・ジョーンズの初期音源などどれも貴重だ。 *出嶌
ニュー・ジャック・スウィングとヒップホップ・ソウルの中間をいく3人組グループのデビュー作。ドレッド・スコットがラップで客演した“Somethin’ About Your Lovin’”、ソウルショック&カーリンとカットファーザーが手掛けた“Like You Used To Do”などのミッド・ダンサーのほか、トリッキー・スチュアート&ショーン・ホールらの制作曲も含め、裏声を交えたヴォーカル・ワークが素晴らしい。スタイリスティックスの名曲“You Make Me Feel Brand New”もカヴァー。 *林