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GANG PARADE

この先も楽しみがいっぱいある

――所属の各グループについても伺いたいんですけど、まずGANG PARADEについてはいかがでしょう。

「現状はプロデュースの大半をマネージャーの辻山に任せていて、逆にあんまり見ないようにしているんですよね。去年の再始動からするとLINE CUBEまでまだまだ横ばいな感じがしているので、これからKiSS KiSSの追撃も含めてどのように変化していくのか楽しみです。俺が言うのもなんですが、アルバムも僕だったらこうしない感があって逆に凄く良かったです」

ExWHYZ

――ExWHYZはどうでしょう? アルバムも素晴らしかったですし、先日は武道館公演も行われました。

「ExWHYZはEMIのディレクターが先導して、よりクラブ・ミュージックに振り切ってやってるところで、サウンド・プロダクションもEMPiRE時代からわかりやすく変わりました」

――音がメチャクチャ良くなりましたよね。

「ホントに良いアルバムっすね。武道館も良かったっすけど、もちろん好きなように観てもらいたいんですけど、楽しみ方が追いついてない部分もあるかなと思って。そこが振り切れるとまた違う道が見えてくると思います」

豆柴の大群

――はい。あと、豆柴の大群も昨年末から新体制になって、2月にはアルバム『MAMEQUEST』が出ました。

「豆柴もいろんな作家さんにやってもらって、素敵なアルバムが出来たなと思いつつ。いまは都内某所と一緒にツアーを回ってるんですけど、やっぱりTV発のイメージから抜け出すのはなかなか難しいというか、やっとコアなファンが付いてきてくれたのかなっていう状況で。ここからかなって思ってます」

――オリジナル・メンバーの4人は脱落まで1年間の猶予が与えられた状態になっていますよね。

「そうですね。いま彼女たちが変わろうとしてるので、そこに期待したいなっていうのはありつつ。でもやっぱり、それなりに大きいステージが用意されたりして恵まれてる状況でいくと、どうしても危機感が足りないというか。もっとハングリーになってほしいというのはWACK全体に思ってることでもありますけど」

――年末に決まるわけですよね。

「はい。できれば続けられたほうがいいのはもちろんですけど、やっぱり彼女たちの人生を預かってるんで、そこのジャッジが甘いのも良くないというのは単純に思うところではあります。やっぱり5年前とは状況が違って、確実にアイドルがトレンドじゃなくなってはいて、どのグループであろうといきなり続けられなくなることも全然ありえるので」

都内某所

――そのなかで昨年スタートした都内某所は、いきなり加入脱退が続いてしまいました。

「いろいろあったっすよね(笑)。話し合って2人脱退したのも〈このままだと続けられないよね〉っていう単純な話で。まあ、まだガッツリ始まる前だったんで、〈ここじゃないかも〉と思うなら早いほうがいいというか。いまアルバム制作してますけど、特にキノの歌がめちゃくちゃ良いんで、そこでまた新しいものが見せられるといいなって。ちょっとめまぐるしすぎてまだ全然わかんないっすね(笑)」

ASP

――4月にEP『DELiCiOUS ViCiOUS』を出したASPはいかがですか。

「いちばんジワジワとお客さんは増やしてるし、業界内というか、いわゆるメディアの人からも意外と評判が良いんですけど。とはいえ、まだジワジワなんで、何かしらの爆発ポイントに向けて地道にやってくのが大事かなっていう状況です。あとは彼女たちがいちばんヒップホップっぽい方向に行ったりするんで、やっぱりロックが感情を乗せやすいのはわかるんですけど、もっとヒップホップとかも聴いてほしいかなって思います(笑)」

――ヒップホップで言うと、オーディション番組「BiSH THE NEXT」の課題曲“Patient!!”は(sic)boyさんがプロデュースされていました。その番組から新グループのBiTE A SHOCKも生まれるわけですよね(7月1日放送の最終回でメンバーが決定)。

「はい、まだ全然撮影中なんですけど、日テレでオーディション番組ができるのは嬉しいし、地上波なんで、僕がいつも合宿でやるようなことを思いっきりはできないんですけど、恋愛ドッキリ仕掛けてみたりとかしてて。TV側もおもしろがってくれてるんで楽しくやれてますね。WACK的に新しいところとしては男女混合グループになるので、そこも含めていろんな人たちに観てもらいたいですね」

――ちなみに、BiSHの6人それぞれの〈次〉についても、旧BiS解散時のように動向が発表される感じですか。

「そうですね。まず、音楽じゃない道に進むモモコグミカンパニーとハシヤスメ・アツコは事務所を移籍することになりました。ハシヤスメはたぶんファーストサマーウイカみたいな形をめざして、TVでがんばっていくのかなと思います。モモコは7月に2作目の小説『悪魔のコーラス』も出ますし、作家を続けながら文化人みたいな枠に入れるのが理想なのかな。で、アートをやっていくリンリンはフリーランスになります。業務提携というか、大きな案件とかがある時にWACKが手伝ったりするかもしれないですけど、芸術表現こそ個人で思い通りに活動するのがいいと思うんで。旧BiSでもテンテンコがいちばん幸せそうなんですよね。もちろんウイカはウイカで幸せだと思いますけど、自分の好きな世界で自由にやってるのがいいなって」

CENT

――他の3人は音楽メインでやっていかれるということですね。セントチヒロ・チッチさんは昨年CENTをスタートさせましたし、アユニ・DさんはPEDROの活動を再開して。

「はい。チッチとアイナはそのままWACKに残ってやっていきますし、アユニ・Dは事務所を立ち上げて独立するんですけど、僕が半分出資するんで暖簾分けみたいな形になりますかね」

――CENTもPEDROももう夏フェスのラインナップなどで名前が挙がってきています。

「まずCENTは、いまインディーズで出すアルバムを制作していて、嬉しいことにフェス出演もいくつか決まってるんで、そこで挨拶しつつ、ツアーで細かく全国を回れたらいいなって思ってるところっすね。チッチもライヴハウスが大好きなんで、CENTはいきなりボカンって行くっていうより、ちゃんと地に足を着けてやっていく方向性です。で、逆にPEDROはBiSH解散の翌日からライヴもやって、ここから猛ダッシュをかけていくことになります」

――アイナさんも先のお話がいろいろ出てきていますね。

「アイナは主演した岩井俊二監督の映画『キリエのうた』が10月に公開されるんで、今年はそこがいちばん大きいのかな。あとは留学したいって言ってたんで、また大きくなって帰ってくるんじゃないかなっていうふうには思ってます。彼女は海外も視野に入れていきたいみたいなので、ちょっとそこも含めて先のことを考えていますね」

――新しく始まるものもあって、渡辺さんが忙しいのも変わらなさそうですね。

「そうっすね。僕も制作を楽しんでやっていますし、こうやってお話してまとめてもらうと、この先も楽しみなものがいっぱいあるなって感じですね。あと、僕はBiSH解散の3日後ぐらいにイギリスに飛ぶんですけど、ロンドンに家を買おうと思って(笑)。日本でけっこうがんばったんで、あとは自分を労って海外でのんびりしたいなと思います!!」

左から、BiSHのライヴ映像作品「BiSH OUT of the BLUE」、BiSH主演のオムニバス映画「BiSH presents PCR is PAiPAi CHiNCHiN ROCK'N'ROLL」(共にavex trax)、から、ユイ・ガ・ドクソンのラーメンZINE「Dockson's Ramen Book」(SW)、7月12日に刊行されるセントチヒロ・チッチの著書「いままでも これからも」(KADOKAWA)、8月23日にリリースされるCENTの『PER→CENT→AGE』(Wack)