BUCK-TICKのボーカリスト、櫻井敦司が脳幹出血で息を引き取ったことがバンドのオフィシャルサイトを通じて発表された。57歳だった。
櫻井は、10月19日の神奈川・KT Zepp Yokohama公演中に体調不良を訴え、そのままコンサートを中断。その後、翌日に予定されていた同会場での公演も中止することが発表されると、ファンを中心に多くの人から心配の声が上がっていた。
バンドが発表した声明は以下のとおり。
皆様へ
BUCK-TICKのボーカリストとして多くのファンに愛され続けていた櫻井敦司が
10月19日KT Zepp Yokohamaにてコンサート中に 体調不良により病院に救急搬送されましたが
令和5年10月19日午後11時9分 脳幹出血のため 息を引き取りました
57歳というあまりに早すぎる旅立ちでした
葬儀はご遺族の意向により近親者にて家族葬として執り行われました
葬儀後の発表となり 皆様にご報告が遅れましたことを深くお詫びいたします
故人の冥福を祈りつつ ここに謹んで御通知申し上げます
なお ご弔問及びご香典 弔電 ご供花などのお気遣いは固く辞退させていただきます
何卒ご理解をお願い申し上げます
今年デビュー35周年で精力的に活動を行い9月には故郷 群馬音楽センターにて35周年を締め括る
コンサートを行いました そして36年目を歩み始めた矢先でした
あまりにも突然の事に いまだ信じられない思いがいっぱいで 気持ちが混乱しており
メンバー スタッフ共に 言葉に表すことができないほどの深い悲しみです
後日 ファンの皆様と故人を偲ぶ場を設けたいと思っております
現在発表されておりますコンサートに関しまして 主催者及びコンサートを楽しみにお待ちいただいていた
ファンの皆様に ご迷惑をお掛けする事を深くお詫び申し上げます
これまで櫻井敦司を応援していただいたファンの皆様 関係者の皆様に心より感謝申し上げます
令和5年10月24日
有限会社バンカー
BUCK-TICK
また、BUCK-TICKのメンバーである今井寿が、Instagramの投稿で次のコメントを発表した。
永遠に5人でバンドをやれると思っていました。
でも、そんなコトは、「不可能」ということも最初から、わかっていました。
いつか、こんな日が来ることもわかっていました。
ずっと、あっちゃんの横でギターを弾いていたかった。
ま、でもね。
続けるからね♪
✌🏻大丈夫
BUCK-TICKは、櫻井敦司、今井寿、星野英彦、樋口豊、ヤガミトールからなるロックバンドとして85年に結成。87年にメジャーデビューを果たす。
88年のメジャーファーストシングル“JUST ONE MORE KISS”が、当時CDラジカセのCM曲に起用され、セールス的にも成功を収めた。同CMにはメンバーも出演していたことから、BUCK-TICKの名は一躍お茶の間へと浸透していった。
翌年、“JUST ONE MORE KISS”を収録した4枚目のアルバム『TABOO』をリリース、初のオリコンチャート1位を獲得。アルバムリリースの翌日には初の日本武道館を、同年12月には東京ドーム公演を成功させるなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで音楽シーンを駆け抜けていく。
その後、精力的に楽曲リリースとライブ活動を続け、2013年にはデビュー25周年を記念して制作された初のドキュメント映画「劇場版BUCK-TICK~バクチク現象~」が全国上映され話題に。2017年にはデビュー30周年を記念した野外ライブを東京・お台場野外特設会場J地区にて開催、2日間で2万人を集めた。
2022年9月よりデビュー35周年に突入したバンドは、2023年3月に“太陽とイカロス”“無限 LOOP”の2作のシングルを、4月には23枚目のオリジナルアルバム『異空 -IZORA-』をリリース。同月よりアルバムを引っ提げた全国ホールツアーをスタートさせ、9月には同ツアー、そしてデビュー35周年の締め括りともなるライブ〈BUCK-TICK TOUR 2023 異空 -IZORA- FINALO〉をメンバーの故郷である群馬・群馬音楽センターにて開催した。
また、デビュー35周年を記念した映画製作も決定しているほか、この10月からはライブハウスツアー〈BUCK-TICK TOUR 2023 異空-IZORA- ALTERNATIVE SUN〉をスタートさせ、12月には日本武道館公演〈THE DAY IN QUESTION 2023〉の開催を控えている。
櫻井はBUCK-TICKにてボーカル、そして作詞を担当。その唯一無二な声と、独自の世界観を描くリリックは多くのリスナー、そして後続のバンド/アーテイストからリスペクトされていた。2004年にはロビン・ガスリー(コクトー・ツインズ)、岡村靖幸、佐藤タイジなどが参加したソロアルバム『愛の惑星』をリリースし、大きな話題を呼ぶ。
2015年にはソロプロジェクトとしてTHE MORTALを結成し、同年にミニアルバム『Spirit』とフルアルバム『I AM MORTAL』をリリース。櫻井の趣味趣向が色濃く反映されたTHE MORTALでの活動は、BUCK-TICKでの活動をさらに活性化させる原動力ともなった。
まだまだ優れた楽曲とライブを、多くのリスナーに提供してくれたであろう櫻井の突然の訃報にショックを隠せない。