ほとんどが〈ピアノ〉と〈声〉というシンプルな編成で綴られるサウンドスケープ。その表現力の繊細さと奥深さで一気に引き込まれていく。南アフリカ出身のピアニスト/シンガー/作曲家と、奇才カルロス・ニーニョがタッグを組んだ本作は、トータル・プロデュースされたアルバム全体に漂う神秘的な雰囲気の中に、多彩なピアノアプローチも楽しめる一枚。特にM8“The One (first part)”、M9 “The One (second part)”のダイナミックなピアノからM10“Lihlanzekile”のメロディアスな主旋律へと畳み掛けるような後半の流れは聴き応え充分。