巨匠ロベール・ブレッソン監督が独自の映画スタイル〈シネマトグラフ〉を確立した傑作。2021年に制作70年を記念して日本では劇場未公開だった本作を、4kデジタルリマスターで劇場公開した作品のBRD化。寒村の教区に派遣された若い司祭が持病を抱えながら敬虔に信仰を遵守するあまり村人たちと軋轢を生むことになる。事態を改善しようと奮闘するが状況はより悪化し、司祭の病魔も進行していくのだが。主人公のモノローグで話は進んでいき、内省的で文学的なセリフは映像媒体でありながら言語的映画ともいえる。内省的モノローグ作品といえばヴァージニア・ウルフの名著「灯台へ」を想起させる。