Page 2 / 2 1ページ目から読む

新機軸 × 常田節で〈日本の音楽家〉のまま世界へ

常田の豊富な音楽遍歴に基づき、これまでMILLENNIUM PARADEはロックやヒップホップ、ジャズ、クラシック、民族音楽など多様なジャンルが渾然一体となったミクスチャー音楽を志向してきた。引き算による洗練された美よりも、極端なまでの足し算が生む異形の美に面白さを見出す傾向。一方、第二形態の1stシングル“GOLDENWEEK”は全編打ち込みのEDMで、ビートとボーカルに照準を定めたサウンドデザインも含めて新機軸といった印象だ。

ビートパターンはセクションごとに変化していくが、レゲトンの特徴とされるデンボウのリズムを分解・発展させているとも解釈可能で、以前ラジオ番組で紹介していたラルフィー・チュー&ムラ・マサ(Ralphie Choo & Mura Masa)“MÁQUINA CULONA”からの影響が見られる。レゲトンは今や全米チャートの常連。この新しい音楽性に、ここから本格的に世界へ進出するのだという気概を感じた。

とはいえ、完全に〈らしさ〉を手放して洋楽に寄せたという話でもないのだが(例えばヴァース1-ヴァース2-リフレイン-プレコーラス-コーラスという構成の盛り具合は常田節であり、邦楽的な気がする)。日本の音楽家であるという出自含め、自身のアイデンティティ、持ち味はそのままに世界へ出ていこうという意思は、和製英語〈GOLDENWEEK〉をタイトルに据えている点からも窺える。

 

より自由で純度の高いアウトプット

ポピュラリティとクリエイティビティの狭間で実験的音楽を生み出さんとしていたMILLENNIUM PARADEだが、〈日本の音楽市場がメインターゲットである〉という前提が一つ外れたことで、より自由で純度の高いアウトプットが実現するはずだと、白目を剥いたお茶目なアーティスト写真を見ながら思う。彼らが今後どのような作品を生み出すのか、その作品が世界の人々からどのように受け入れられるかを注視していきたい。

 


RELEASE INFORMATION

MILLENNIUM PARADE 『GOLDENWEEK』 ソニー/Epic/RCA(2024)

リリース日:2024年5月10日(金)
配信リンク:https://millennium-parade.lnk.to/GOLDENWEEK

TRACKLIST
1. GOLDENWEEK

 


PROFILE: MILLENNIUM PARADE
東京を拠点に音楽プロデューサー、ミュージシャンとして活動する常田大希を中心に、ミュージシャンだけでなく、映画監督、CGクリエイター、デザイナー、アートディレクターなど、さまざまな分野を横断するクリエイティブコレクティブ。millennium parade名義で2019年にシングル“Veil”をリリースした後、コロナ禍真っ只中でのデビューアルバム『THE MILLENNIUM PARADE』を2021年にリリースし、ディオールとのコラボレーションや、日本が世界に誇るアニメーション「攻殻機動隊 SAC_2045」の主題歌を務めるなど多方面での活動を続けてきた中、2024年5月をもって〈MILLENNIUM PARADE〉へ改名。改名とともに海外名門レーベルとの契約も果たし、時代を担うアーティストとして大きな注目が集まっている。
オフィシャルサイト:https://millenniumparade.com/
X:https://twitter.com/mllnnmprd
Instagram:https://www.instagram.com/mllnnmprd/
YouTube:https://www.youtube.com/@millenniumparadeofficial
TikTok:https://www.tiktok.com/@mllnnmprd_