国立音楽大学ジャズ専修在学時からHYDEらとの共演やブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラへの参加などのプロ活動を開始し、2023年に1stアルバム『STEPS OF THE BLUE』を発表。自身のリーダーバンドでの活動を中心にジャズ、クラシック音楽、ポップアーティストのサポートなどで目覚ましい活躍を見せるトランぺッター松井秀太郎。
そして2019年にバークリー音楽大学を首席卒業。アメリカでの活動を経た後に拠点を日本に移し、自身のトリオや、石川紅奈(ベース/ボーカル)とのユニットsorayaを主宰するほか、スペインのサンセバスティアン国際ジャズフェスティバルへの出演や東京フィルハーモニー交響楽団との共演など世界的な活動を展開。今年5月にソロピアノ作品『When I Sing』でアルバムデビューを飾った壷阪健登。
ともに、小曽根真と俳優・神野三鈴が主宰するプロジェクトFrom OZONE till Dawnに参加するふたりが、待望の初共演コンサート〈Duet SHUTARO × KENTO〉を2024年8月30日(金)に東京・銀座ヤマハホールで開催する。松井、壷阪のふたりに、コンサートに掛ける思いと抱負を聞いた。
※壷阪健登はリモートで取材に参加したため、ヤマハホールでの撮影は松井秀太郎のみ行なった
松井秀太郎はトランペットという楽器のロマンを感じさせる
――おふたりは小曽根真さんのプロジェクトFrom OZONE till Dawn(以下FOTD)にも参加されていますが、初めて出会ったのはいつ頃なのですか?
壷阪健登「最初に出会ったのは2021年~2022年頃。FOTDに入ってからだったと思います。秀太郎くんが活動を始めた時期、僕はアメリカで活動していたので、帰国するまで接点がなかったんです。初めて顔を合わせたのはFOTDのレスリー・キーさんによる写真撮影だったと思います」
――その時は、一緒に演奏なさったのですか?
壷阪「その時は撮影だけでしたので演奏はしていません。そのあと何度か共演はしていますが、セッション的なライブであったり、飛び入りで演奏するシットインの機会しかなかったので、お互いの音楽をじっくり演奏するのは今回の〈Duet SHUTARO × KENTO〉が初めてです」
――お互いのプレイヤーとしての印象をお聞かせいただけますか?
壷阪「ステージに立つ秀太郎くんの姿は観るたびに印象に残っています。今年の2月に彼のカルテットのツアー公演〈松井秀太郎 Concert Hall Live Tour 2024〉を観ましたが、リーダーとして、そしてフロントパーソンとして自分の音楽を引っ張っていく彼の姿、覚悟にとても感動しました。ホールの響きに乗せて音のエネルギーが、真っ直ぐに届いてきたのを覚えています。
特に僕がいつも素晴らしいと感じるのは、秀太郎くんの音色です。クラシカルなアプローチもできる彼の音は、メロディを吹くだけでも〈ああ、トランペットって、こんなに素敵な音のする楽器なんだ〉と驚かされますし、力強いジャズの音をバシッと聴かせる場面もあって、トランペットという楽器の持つロマンをとても強く感じさせてくれます」