ⒸPhilippe Porter

〈珠玉のリサイタル&室内楽 リーズ・ドゥ・ラ・サール ピアノ・リサイタル〉が2025年7月17日(木)、東京・銀座ヤマハホールで開催される。フランスを代表するピアニストの一人で、独創的な世界によって人々を魅了してきたリーズ・ドゥ・ラ・サールの、同会場でのひさびさの公演だ。世界で愛されるショパンとリストの名作を極上の音響空間にて贅沢に届けるこのコンサートでは、未来の巨匠が成熟した音を聴かせてくれるはず。パフォーマンスの見どころなどをライター小田島久恵に解説してもらった。 *Mikiki編集部


 

冷静さと炎のような情熱を併せ持つ芸術性

リーズ・ドゥ・ラ・サールが10年ぶりにヤマハホールでリサイタルを行う。

リーズは1988年に仏シェルブールに生まれ、4歳でセルゲイ・ラフマニノフ音楽院に学び、8歳でパリ国立高等音楽院に入学、4年後に12歳で首席卒業。初のリサイタルを行ったのは9歳という天才肌のピアニスト。13歳から国際的なキャリアをスタートし、欧米、ロシア、日本のオーケストラと共演を重ねてきた。

日本では2010年代の前半にほぼ毎年のようにリサイタルを行っていたが、そのときの強い印象は〈冷静さと炎のような情熱を併せ持つ〉芸術性の持ち主だということ。2012年にはインタビューも行ったが、ハードロックのアーティストTシャツを着て愛想笑いなどしないクールな女性で「あなたはとても早熟なアーティストですね」と話しかけると、毅然とした表情で「私は自分が欲しいものをずっと前から知っていたのです。一度も迷ったことはありません」と語ってくれた。

20代前半のリーズが日本で弾いたドビュッシーやリストは、はっきりとした輪郭の明快な色彩感の音楽で、特にリストは男性的で岩をも砕くようなパワーを感じさせた。聴き手を圧倒する技術と迫力をもつピアニズムで、その後に続けて録音されたラフマニノフのレパートリーにも、ピアニストの並外れたスケール感が顕れていた。ファビオ・ルイージとのラフマニノフの協奏曲は名盤だが、2025年はNHK交響楽団とルイージとグリーグを共演する予定だ。

 

ショパンとリストで本領発揮、深化した演奏で嵐を起こす

ヤマハホールでのリサイタルは、リーズが最も集中して取り組んできたリストを中心にプログラムが組まれており、初期のレコーディングに収録されたショパンのバラード第1番と第4番、リストの大曲“ピアノ・ソナタロ短調”“詩的で宗教的な調べ”より第10曲“愛の賛歌”、モーツァルト/リスト編“「ドン・ジョヴァンニ」の回想”と高度な技術を求められる曲が並ぶ。近年、ガーシュウィン等ジャズテイストの楽曲にも取り組んでいた彼女だが、リサイタルでは本人が最も得意とするショパンとリストで本領を発揮してくれる。

今回のプログラムはそれぞれ10代の頃から取り組んできた曲のはずだが、30代後半の円熟期を迎えつつあるピアニストが、どのような深化を聴かせてくれるのか期待が高まる。

ショパン“バラード第1番”“バラード第4番”は2010年(22歳当時)リリースのアルバムでレコーディングを行った曲で、ナントの〈ラ・フォル・ジュルネ〉等で演奏を重ねてきたが、新しい解釈で見事な演奏を聴かせてくれるはず。リスト“詩的で宗教的な調べ”より第10曲“愛の賛歌”は、リスト作品の中でも技巧的で、チャイコフスキーにも大きな影響を与えたといわれる演奏効果の高い曲。23歳の初来日でオール・リスト・プログラムを聴かせてくれた彼女の、華麗なテクニックを楽しめる曲だ。モーツァルト/リスト編のオペラ「ドン・ジョヴァンニ」のトランスクリプションでは、若い頃の彼女が見せなかった愛嬌やユーモア、コケティッシュなフィーリングが聴けるのではないかと楽しみ。嵐を巻き起こす演奏会になりそうだ。

 


LIVE INFORMATION
珠玉のリサイタル&室内楽
リーズ・ドゥ・ラ・サール ピアノ・リサイタル

2025年7月17日(木)東京・銀座 ヤマハホール
開場/開演:18:30/19:00
出演:リーズ・ドゥ・ラ・サール(ピアノ)
料金(税込):5,500円(全席指定)
主催 :ヤマハ株式会社ヤマハホール

■注意事項
※都合により出演者、曲目が変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております
※チケット料金には消費税が含まれております

■プログラム
F. ショパン/バラード 第1番 ト短調 Op. 23
F. リスト/ピアノ・ソナタ ロ短調 S. 178 R. 21
F. ショパン/バラード 第4番 へ短調 Op. 52
F. リスト/詩的で宗教的な調べ S. 173 R. 14 より 第10曲 愛の賛歌
W. A. モーツァルト=F. リスト/「ドン・ジョヴァンニ」の回想 S. 418 R. 228

■チケット情報
チケットぴあでのご予約・お申し込み
WEBからのお申し込み:https://ticket-search.pia.jp/pia/search_all.do?kw=295-190
※座席選択可能
Pコード:295-190
発売日:2025年3月15日(土)
座席種別:指定席

■お問い合わせ
ヤマハ銀座店
TEL:03-3572-3171(ヤマハ銀座店 インフォメーション)
営業時間:11:00~18:30
定休日:毎週火曜日(祝日の場合は営業いたします)
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座7-9-14
アクセス:https://retailing.jp.yamaha.com/shop/ginza.html#access

イベント詳細:https://retailing.jp.yamaha.com/shop/ginza/hall/event/detail?id=6658

 


PROFILE: LISE DE LA SALLE
フランスのシェルブール生まれ。4歳でピアノを始め、5年後には初のコンサートを開催、その模様はラジオ・フランスで生放送された。その後、パリ国立高等音楽院に学び13歳でコンチェルトデビュー、パリのルーヴルでリサイタルデビューを果たす。パスカル・ネミロフスキ、ジュヌヴィエーヴ・ジョワ=デュティーユにも師事。フランス、ドイツ等ヨーロッパ各地のコンクールで次々に1位を獲得、2004年にはニューヨークのヤング・コンサート・アーティスツ国際オーディションで優勝。同年、初の日本ツアーを行う。これまでにドレスデン・シュターツカペレ、ベルリン放送響、ミュンヘン・フィル、WDR響、ウィーン響、フランス国立管、パリ室内管、チューリヒ・トーンハレ管、スカラ・フィル、ロッテルダム・フィル、ロンドン響、フィルハーモニア管、シカゴ響、ボストン響、ロサンゼルス・フィル、サンクトペテルブルク・フィル等と、指揮者ではルイージ、マゼール、ヤノフスキ、ビシュコフ、ヴァンスカ、ブロムシュテット、マリナー、パッパーノ、スダーン、フルシャ等と共演を重ねている。またリサイタル、室内楽でも欧米アジア各地の主要な都市・コンサートホールから招かれている。ナイーブ・レコードほかより10代の頃から数々のCDをリリースしている。