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僕らは本気で遊ぶ

――4人が楽しんでいる制作のスタイルや生き方について聞いていると、思い詰めすぎる人や仕事を突き詰めてやりすぎて苦しんでいる人へのメッセージになりそうですね。

岩井「僕らは中途半端に遊ばないんですよね。一筋縄ではいかないので、のめり込んじゃうんです。イコライザーやコンプレッサーやギターを触るにしても、なんとなくじゃなく本気で遊ぶので緩くないんですよ。音楽以外も同じで、たとえば岡崎くんはけん玉の段持ちですし。野球にハマったからといって、キャッチボールや草野球はしても、雄貴みたいに変化球を投げようとする人は少ないですよね(笑)」

雄貴「自分、変化球は自信あります。岡崎くんとめっちゃ練習した結果、急速はめちゃくちゃスローなんだけど、かなり曲がるカーブが投げられるようになりました(笑)。

むしろ、そういうことのほうが大事かも。音楽業界やリリースのフォーマットについて話すくらいだったら、『コロコロコミック』の話をしたり変化球の練習をしたりするほうが次に進むきっかけになるんです。“SPIN!”を作った時、〈この曲でファイターズガールが踊ってくれてたらいいね〉って言っていたら、実際にエスコンフィールド(HOKKAIDO)でライブができて、ファイターズガールが踊ってくれたんです。そうやって実現した、叶ったきっかけは音楽と関係なくて。

その体験がまた自分たちの音楽のパワーになるので、生きていくことって大事だなと思います。音楽以前に、まず生きることがテーマだなって。僕らが日々、ただ幸せに生きようともがいているだけの人間なんだということが、ファンのみんなに音楽で伝わったらいいですね」

――なるほど。

雄貴「もちろん、めちゃくちゃ大変な期間もあるんです。僕、好きな映像があって。『千と千尋の神隠し』の制作を追ったドキュメンタリーで、自分の制作が大変すぎて疲れると必ず見ちゃうんです。あの過酷さや確実に間に合わない感じ、それでも〈やるしかない〉と描いているアニメーターの様子、〈面倒くさい〉〈もうダメだ〉ってぼやきながらこだわりを捨てられない宮崎駿監督の姿が好きなんですよね。あれを見ると、風呂に入る時間すらないような状態で夜中まで作業していることも楽しく思えて。疲れている人におすすめです(笑)」

岩井「他人に動かされているわけじゃないのはでかいよね。本心でやりたいからやれているっていう」

雄貴「働いているアニメーターはそう思ってないかもしれないけど(笑)」

岩井「でも、やらされている人が一人もいない。全員、自発的に内的な要因で動いている」

雄貴「じゃあ、Galileo Galileiは全員宮崎駿?」

――Galileo Galileiのアルバム制作に密着したドキュメンタリーも見てみたいですね。

雄貴「たぶん、ずっと関係ないことをしていると思います(笑)」

 

尾崎雄貴の〈引用筋〉

――歌詞についてはいかがでしょう? この2作では雄貴さんの死生観というか、死が背中合わせにある生のきらめきや生をどう見つめるか、というようなテーマが特に表れていると思いました。

岩井「歌詞についてはまったくわからないですね」

雄貴「ははは(笑)」

岩井「聖域すぎて。和樹がよく雄貴の歌詞の考察をしているんです。解散したあと、夜中に〈こうだと思う〉という長文を書いてLINEで送ってくるんですけど、雄貴はそれに反応しない(笑)。謎のままなんです」

雄貴「和樹は考察したがりだからね。また言ってるな~って。でも、大体合ってないよ(笑)」

――和樹さんが考察したことを一つ教えてもらえませんか?

和樹「新作の歌詞は比較的伝わりやすいんじゃないかなと思います」

全員「(笑)」

和樹「聴いたまま読み取って感じたことがそのまま答えなんじゃないかなって」

雄貴「考察しがいがない!」

――深掘りはせず、そのまま受け取ればいいと。

和樹「1年後ぐらいに〈あれ、この歌詞ってもしかしたら?〉みたいな新しい発見があるかもしれませんが、現状はそうですね」

全員「(笑)」

岩井「同じソングライターとして雄貴がどう歌詞を書いているのか知りたいのに教えてくれないんです。雄貴は〈連想ゲームだよ〉ってよく言うけど、それでこの歌詞が書けるはずないよなって。連想力が半端ないんだよね。歌詞だけじゃなくて作曲やアレンジも引用力がすごいから、〈引用筋〉が発達してるんじゃないかな」

雄貴「〈引用筋〉って何(笑)?」

岩井「〈これってこのパズルのピースじゃない?〉って散らばったバラバラの欠片をくっつけるのが上手というか」

雄貴「僕は後悔ってあんまりしたことなくて。後悔しないようにするのは自分自身だと思っているから、間違いだったとしても間違いと認めない。33年生きてきた中で色んなものを見て感じたはずだから、それらに意味がないと悲しいじゃん。だから結局、過去の経験から引っ張ってきて表現するしかなくて、それを自分でよしとさせるしかない。〈僕にとってはこうなんだ〉というのがまかり通るように周りを作り変えていくしかないんです。なので〈アルバムを2枚も出したことはミスだったね〉となるかならないかは、僕ら自身の今後の動きや聴いてくれたファンとの関係にかかっていると思いますね」