キャッチーでひねりの効いたメロディーにグルーヴィーなアンサンブルを重ねた音楽性で、東京インディー・シーンの次世代スターと噂される4人組、CheChe(チェチェ)。影響源にあたるのはブリットポップやファンクだそうですが、ヴォーカルを担うHaruhiの節回しや歌声には、誰もがブラーのデーモン・アルバーンを想起せずにいられないはず。

 「ブラーを知ったのは数年前なんですが、一気にハマりました。レッチリやコリー・ウォンもメンバーのルーツですね」(Haruhi)。

 2020年、音楽系の専門学校に通っていた4人がCheCheを結成。以降の数年間はまったりと続けつつ、一念発起して作り上げた2023年のファーストEP『Bab』が話題を集めました。

 「『Bab』を発表する前はライヴをしたこともなかったんです。あのEPを出したことで活動が本格化しました」(ヤマダタツキ)。

 4人全員がソングライターであることも、彼らの強み。7月から3か月連続で発表している配信シングル3曲も、それぞれ別のメンバーが作曲しています。7月に出た“Medium Star”はヤマダタツキによるもの。ドライヴィンでノイジーなギター・サウンドが特徴のパワー・ポップに仕上がっています。

 「昔からあったデモにビルト・トゥ・スピル的な要素を入れることで、よりロックな楽曲に化けました」(ヤマダ)。

 8月に発表したHaruhi × Dagabazi製の“Summer Vacation”は、初期のドラムスを思わせるサーフ・ポップ。

 「ドラムスってバンドは知らなかったです。これは最初にHaruhiのギター・リフがあり、そこに僕が打ち込みやコードを足して完成させた曲ですね」(Dagabazi)。

 そして、このたびリリースされた“Magical Boy”は、岸本息吹が作曲。ダンサブルでありつつ、不穏さを漂わせているアート・ロックです。

「CheCheのなかで、いちばんキモおもろい一曲じゃないかな」(Haruhi)。

「R&Bっぽい序盤から始まり、コーラスに入るとギターはロックでベースとドラムはディスコ。あんまりないタイプの曲だと思います」(岸本息吹)。

「ベースラインがカッコいいので聴いてほしい」(ヤマダ)。

CheChe 『Magical Boy』 ULTRA-VYBE(2024)

 さまざまな表情を見せる3曲を完成させた現在、CheCheの抱く夢とは?

「常に新しいことに挑んで、〈こいつら、いつも前と違うな〉って思われるバンドでいたい。あと海外のフェスに出演してブラーとレッチリに会いたいですね」(Haruhi)。

 


CheChe:Haruhi(ヴォーカル)、 Dagabazi(ギター/ヴォーカル)、ヤマダタツキ(ギター)、岸本息吹(ベース)から成る東京拠点の4人組バンド。このたび配信シングル“Magical Boy”を発表したばかり。
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