沖縄から注目すべき3人組が登場です。2020年、高校在学中に結成されたHOMEは、インディー・ロックやR&B、クラブ・ミュージックなどを独自にフュージョンしたサウンドが魅力。このたびファーストEP『HOME EP』を配信で発表しました。
「最初はyonawoみたいなチルなサウンドをめざしていたんですが、オルタナやシューゲイザー、アブストラクトなビート・ミュージックを取り入れていく過程で、自分たちの音楽性が形成されていきました」(shun)。
「一時期はパンクを基調にトラップやドリルに接近していくようなサウンドを鳴らしていましたが、いまはまた〈いい曲〉に立ち返っています」(o-png)。
今回の『HOME EP』には5曲を収録。「2010年代前半のキャプチャード・トラックスのニュアンスを意識した」(shun)という疾走感が心地良い“Lucy”、ポスト・パンクを思わせる冷ややかな音に、どこか歌謡曲っぽさの漂う哀愁に溢れたメロディーが重なる“常時”というロック・チューンに続き、3曲目はしっとりとしたR&Bの“愛のうた”。ジャジーな演奏を従えて、ファルセット気味に歌うsei.の声が実に艶やかです。
「マイケル・ジャクソンの『Off The Wall』を聴いて、〈シンガーってかっけぇな〉と歌を始めました。女性ヴォーカルのジャズも好きです」(sei.)。
そして、フローティンなエレクトロ・ポップ“Maybe I should die with you”、オールディーズ × ローファイ・サイケという不思議なミクスチャー感覚が癖になる“lululu”という後半の2曲もユニーク。
「“lululu”はライヴでスクリュー・ヴァージョンで披露したりもしています。“Maybe I should die with you”は、ブルー・ナイルの『Hats』を聴いているときに見える情景を僕たちなりに描きたいと思って書きました。脳が溶けるようなポップソングを作れた気がして、自分でも気に入っています」(shun)。
彼らが運営するレーベルの名前は〈superpop〉。ポップというのはHOMEにとって大事なポイントなのでしょうか。
「ハイパーポップをもじっただけなんですが、ポップであることはもっとも重要。キャッチーななかに少し謎がある――そういう上品さを持つ音楽を作っていきたいですね」(shun)。
HOME:sei.(ヴォーカル)、o-png(PC) 、shun(ギター) から成る3人組バンド。2020年に沖縄で結成。このたびファーストEP『HOME』を配信リリースしたばかり。