アップカミングなニューカマーを紹介する新連載がスタート! 初回は、大阪発の4人組、ハク。を紹介します。平均年齢20歳の彼女たちがバンドを結成したのは、各々がまだ高校生だった2019年のこと。
「私はその頃、サカナクションやフレデリックを聴いていて。その後、ボーイ・パブロやガール・イン・レッドといった洋楽のインディーも好きになりました」(あい、ヴォーカル/ギター:以下同)。
地元を中心にライヴ活動を始めた4人は、瑞々しいギター・ポップ・サウンドで話題を集め、2021年にはシングルを精力的に配信。2022年1月にはそれらをまとめたミニ・アルバム『若者日記』をリリースしています。同作はタイトル通り、少女が高校生から大人になっていく過程のドキュメントとも言える内容でした。
「後年に聴いたとき、昔の日記を読んでいるように感じられたらいいなと思って作りました。まだ1年しか経ってないですけど(笑)、いま聴いてもすでに〈幼い私〉の姿を見られる気がする。自分の成長を感じていますね」。
そんな変化を刻んでいるのが、このたび配信リリースされたニューEP『僕ら』! 宇多田ヒカルの作品などで名高い河野圭をプロデューサーに迎え、バンドはこれまで以上に力強く躍動しています。
「河野さんが多くの提案をしてくれたので、自分たちもいろいろなことを試す勇気が出ました」。
『僕ら』には4曲を収録。ニューウェイヴ調の“ナイーブ女の子”、思春期特有の揺れ動く気持ちを描いたバラードの“無題”、軽やかに跳ねるリズムが心地良い“直観way”という先行配信の3曲に加えて、冒頭には新曲“ハルライト”を据えています。
「“ハルライト”は、押しつけがましくなく、さらりと春の感じを出したくて。終盤のコーラスの掛け合いは、桜吹雪をイメージしました」。
歌詞の面でも『僕ら』は、前作以上にハク。そのものに向き合った印象。そこには、あいの率直な想いが映されているそうで……。
「メンバーとの関係性も年を追うごとに変化していて、いまは友達であり同僚でもある。今後が楽しみだという気持ちと不安――両方を隠さずに残しておきたいと思った。〈いまのハク。〉を歌いたいという気持ちは強いですね」。
ハク。:あい(ギター/ヴォーカル)、なずな(ギター)、カノ(ベース/コーラス)、まゆ(ドラムス)から成る4人組バンド。2019年に大阪で結成。このたび『僕ら』を配信リリースしたばかり。