ロック感あふれる音作りの秘密
――選曲についてですが、ファン投票によるリクエストで、1位が“心を開いて”。この曲にはどんな思い出がありますか。
「“心を開いて”をミックスしたのはアンディ・ジョンズさんという方で、日本のエンジニアがミックスしていたら、ドラムの躍動感がここまで出てこないと思うんですよね。打ち込みなんですけど、本当にドラマーが叩いているような躍動感があるんです。この曲は、彼がミックスしたことでクオリティがぐんと上がった感じがしますね。
ロック感があるんですよ。ZARDって、本人のボーカルはそんなにロックロックしてはいないけれど、ちゃんとロック感がある。そのへんは、プロデューサーが求めている音がそういうものだったということだと思います」
――島田さんご自身の音の好みを、そこに加えることもあるわけですか。
「あります。たとえば“Good-bye My Loneliness”は、プロデューサーは〈ポリスの“見つめていたい”っぽい感じで〉と言っていたんですよ。ただ自分の中では、これは今まで言ったことはないんですが、トンプソン・ツインズの“Hold Me Now”という曲があって、サビはそのイメージなんです」
――言われてみれば確かに。そのあたりの音が島田さんのルーツですか。
「自分の中でのルーツは、イーグルスなんですよね。イーグルスとかスティーリー・ダンとか、あのへんがルーツです。ZARDをそれに近づけようとか、そういう意図はないんですけど、いいなと感じるベーシックな部分は音作りにどうしても反映しちゃいますね」
ZARDサウンドで重要な歌とドラムのシンクロ
――ちなみに、ファン投票のリクエストには、島田さんも参加されたんですよね。3曲選べるということで、“Good-bye My Loneliness”“Forever you”“Season”を挙げられたと聞きました。
「“Good-bye My Loneliness”はデビュー曲でもありますし、一番印象に残っている曲なので。
“Forever you”は、当時ZARDが週刊誌に色々叩かれて、へこんでいた時期があって、プロデューサーにそういう話をした時に〈それをもとに詞を書いてみたら〉という意見をもらって出てきた曲なので。それを知って聴くと、なかなかいい歌詞でしんみり来るなと思うのと、悟りを開いているような感じがして、すごくいいんですよね。
“Season”はね、“遠い日のNostalgia”と迷ったんですけど、自分の中での青春の若い頃のイメージがこの曲に結構出ているので、選ばせてもらいました」
――そのほかに、島田さんのお気に入り曲というと?
「僕のお気に入りは、“心を開いて”と“雨に濡れて”。“雨に濡れて”はドラムと歌のシンクロの仕方がすごいので、そこを聴いてほしいなと思います。ZARDの音作りはドラムがかなり重要で、そのあたりはプロデューサーのこだわりと本人のこだわりも結構あるんですけど、スネアのタイミングが、ちょっと溜めが入ったアフタービートっぽい感じなんですね。しかも〈タンッ〉ではなくて〈ゥタンッ〉という感じ。
ルームアンビエンス(部屋の中の反響や残響)と言うんですけども、打ち込みの時にもそれを再現するために、実は、とあるスタジオのルームアンビエンスを足しています。そのアンビエンスがないと、ZARDのドラムの打ち込みの雰囲気にならないんですよ。〈ドン、タン〉じゃなくて、〈ドゥン、ドワァン〉って、余韻で伸びる部分がないと雰囲気が出ないので」