東京を拠点に、これまで世界各地の良質な轟音ロック盤を多数送り出してきたHands And Moment。この秋、同人気レーベルが怒濤のリリース・ラッシュを迎えています。
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まずはフランスの4人組、デッド・ホース・ワンの『Without Love We Perish』から。マーク・ガードナー(元ライド)をプロデューサーに迎え、シューゲイザー期のクリエイションを甦らせたような音を披露していて、ライド“Drive Blind”をスロウダイヴが演奏した……みたいな低温のギター・ノイズが心地良いです。
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続いて紹介するのは、トーイとも共演経験のあるポートランドの男女3人組、ソフト・シャドウズの『Reverb Is For Lovers』。この初作ではサイファイなステレオラブ風からノイジーなジザメリ調まで、ヴァラエティー豊かなサイケ・ロックが楽しめますよ。
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ASALTO AL PARQUE ZOOLOGICO Hexadecimal Asalto Al Parque Zoologico/Hands And Moment(2014)
さて、南半球に目を移すと……アルゼンチン発の5人組、アサルト・アル・パルケ・ソーロヒコもイイ感じですね。彼らの初作『Hexadecimal』は、〈マイブラ・フォロワーかくあるべし!〉といった艶やかなノイズにほんのりラテン味をまぶし、リスナーを迷宮回廊へと誘い出します。
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ラストはオーストラリア発のバット・ヌーヴォーによる『Metamorphoses』。バウハウスに気に入られていることも納得のオールド・スクールなゴシック・パンクを聴かせてくれ、古くはデッド・カン・ダンスやバースデイ・パーティを生んだ豪州シーンの底力を見た思いです。以上4枚、どれも強力作品ばかりで、Hands And Momentさん、財布泣かせすぎやしませんか!?