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松田優作になりきって聴いていた“野獣死すべし”

――本作にはアニメ関連の音源が入っているのも面白いですね。例えばアニメ「ムーの白鯨」のサントラからは“ムーの勇者達”が収録されています。これはリアルタイムで聴かれていたんですか?

「はい。子供の頃に聴いて好きだったんです。サントラも持ってました。曲を書いた羽田健太郎さんはテレビにも出ていたので当時は芸能人的なイメージを抱いていたんですけど、その後、久保田早紀やオフコースの作品のクレジットでも名前を見かけて覚えました。アニメのBGMってカッコいい曲が結構あるんですよね。大野雄二さんの『ルパン三世』とか『キャプテン・フューチャー』は昔から大好きでした」

――大野雄二さんもアニメのサントラを数多く手がけていましたね。子供達にジャズのカッコよさを伝えた重要人物です。

「ほかにも『宇宙戦艦ヤマト』とか『機動戦士ガンダム』のサントラなんかも買ってました。『宇宙戦艦ヤマト』のサントラはクレジットに石川晶さんの名前を見つけて驚きました。やっぱり、子供の頃にカッコいいと思った音楽は記憶に残りますね」

――記憶に残る曲といえば、荒川バンドの“野獣死すべし”もそうですよね。松田優作主演の角川映画のサントラということで当時よく流れていましたが、大人の世界を感じさせました。

「『野獣死すべし』は暴力的なシーンがあるので映画館には行けなくてテレビで観たんですけど、この曲を聴いて〈うわ、カッコいいな〉と思ってシングルを買ったんです。自分の部屋でモデルガンを触りながら聴いてたんですよ、松田優作になりきって(笑)。今回収録したのは再録バージョンで、オリジナル版よりグルーヴがあるんです」

――この曲を聴くと夜明けの新宿の風景が浮かんできます。まさに〈CITY MUSIC〉という感じですね。

「10年前に鵠沼海岸でDJをしたことがあって、夕方にこの曲を流したら若い子が〈何て曲ですか?〉と訊きにきたんですよ。彼らは映画を観ていないから、曲だけを聴いてまた違うハマり方をしたみたいですね。トランペットの音色とかが夕暮れ時の海岸に合っていたんじゃないかなと思います」