久石譲、山屋清などDJ界隈でも人気なライブラリーミュージック
――服部克久さんが手がけられた映画「幸福号出帆」のサントラ曲“Cool Storm”もメロウな感じがいいですね。
「服部さんの劇伴って意外と攻めてる曲が多いんですよ。あと、時代劇の劇伴がめちゃくちゃジャズファンクだったりして。『幸福号出帆』はDJ MUROさんが昔から推してるサントラなんです。今回のアルバムはDJ的な視点というのも大きくて、DJ界隈で人気の曲もいろいろ入っているんです。例えば久石譲さんが作曲したコロムビア・オーケストラの“さっそうと行く”とか」
――この曲は運動会とかにかけるライブラリーミュージックとして制作されたそうですね。よく見つけたな、と思いました。
「海外のDJがこの曲をかけていて、そこで初めて知ったんです。海外のDJは本当に熱心で、いろんなところから曲を見つけてくるんです。今回の収録曲ではコロムビア・オーケストラの“Standard Daytime”もそう。これは漫画『PALM』のイメージアルバムの曲なんですけど、海外で人気があって最近レコードの値段が上がっているそうで。今回、アルバムのクレジットを見て〈こんな豪華なメンバーでやっていたんだ!〉って驚きました」
――腕利きのミュージシャンがサントラやバックバンドをやっていたというのも、この時代の面白さですね。だから掘りがいがある。
「昨日、須永辰緒さんのお店(moderno)でレコードをかけたんです。僕が好きな昭和の曲が中心だったんですけど、〈サウンドだけ聴いてると歌謡曲じゃないよね〉ってみんな言ってました。“ムーの勇者達”だってサウンドだけ聴いたらアニメのサントラの曲だとは思わないだろうし」
――子供の頃、知らない間にハイレベルな音楽を聴いていたんですね。だから記憶に残るのかもしれません。一方、王道のジャズでは渡辺香津美さんがジミー・ホップスと共演した“Lonesome Cat”が収録されています。
「“Lonesome Cat”は有名な曲ですけど、この1976年の『ムダリ』に収録されたバージョンはあまり知られていないんじゃないかと思います。昨年リリースした『CITY MUSIC TOKYO First Suspicion』には日野皓正さんとか渡辺貞夫さんの曲が入っているんですけど、そういう大物と言われる方々の曲って昔は避けてたんですよ。でも、今聴くとやっぱりすごいなって思います」
――ジャズと邦楽をミックスした山屋清さんの“古都(四)”も面白かったです。昔、こういう企画性が強い作品はイロモノ扱いされたりしましたが、今聴くとカッコいい。
「これもDJの間で人気なんです。この曲は京都をイメージしたものですが、山屋さんは沖縄とかいろんな土地を題材にアルバムを作っていて、ライブラリーミュージックみたいな感じもあるんです。僕の親がレコードと車にお金をかける人だったので、女性の裸がジャケットになっているようなムードミュージックとかライブラリーミュージックのアルバムをいろいろ持っていたんですけど、そのなかにこういう曲もありました」