昭和の豊かな大衆音楽のよさが伝わってほしい
――こういう作品も瀧口さんの音楽の原風景としてあったんですね。本作にはボーカルナンバーが3曲収録されていますが、アルバムのいいアクセントになっていますね。弘田三枝子さんの“In My Feeling”なんて和ジャズの魅力に満ちています。
「“In My Feeling”は大好きな曲です。歌もいいけど、とにかく演奏が素晴らしい。マリーナ・ショウの“Who Is This Bitch, Anyway?”もそうですけど、歌と同じくらい演奏にも注目してほしい曲です」
――個人的にはちあきなおみさんの“想影”に痺れました。ジャズやR&Bとは違うこぶしの回しとミッキー吉野グループの演奏が出会うことで、ジャンルレスな曲になっている。
「〈なんでちあきなおみが入ってるの?〉と思う方もいるかもしれませんが、曲を聴けば納得してくれるんじゃないかと思います。曲を書いているのは河島英五さんなんですけど、ミッキー吉野グループが演奏することでめちゃめちゃ洗練されたものになっているんですよ」
――こういう曲が入っているのが本作の面白さだと思いました。
「今回、選曲をしていて思ったのは、最近はジャンルや世代によって聴く音楽が分かれてしまっているけど、この時代は大衆音楽というものがまだ成立していたんですよね。だからアニメの音楽も子供だけじゃなくて大人も聴ける。当時の大衆音楽がいろんなジャンルをクロスオーバーさせた豊かな音楽だったことに、今回改めて気づかされました。だからジャズファンクを切り口にしながら、“想影”みたいな曲が入ってきたりもする。昭和という時代のよさも本作からは伝わってくるんじゃないかと思います」
――かつての『Free Soul』がそうだったように、『CITY MUSIC TOKYO』には今の視線で過去を再発見する楽しさがありますね。
「僕は懐古趣味で古い音楽を紹介している気持ちはまったくなくて、時代とは関係なく自分の琴線に触れた音楽をプッシュしている。さっきの“野獣死すべし”の話じゃないけど、当時のことを知らない若い人たちが本作を聴いて、新しい感覚で〈あ、なんかいい感じだな〉と思ってくれたら嬉しいですね」
RELEASE INFORMATION
リリース日:2026年3月4日(水)
選曲・監修・解説:クニモンド瀧口(RYUSENKEI)
■CD
品番:COCB-42626
価格:2,530円(税込)
■LP(2枚組)
品番:COJY-9576~7
価格:6,160円(税込)
TRACKLIST
1. Standard Daytime/コロムビア・オーケストラ
2. In My Feeling/弘田三枝子
3. ビーバー/古澤良治郎
4. Skyfire/大野えり
5. ムーの勇者達/羽田健太郎、ケン&ラムー・オーケストラ
6. さっそうと行く/コロムビア・オーケストラ
7. サスペンスタッチ 1/猪俣猛とサウンド・リミテッド
8. Cool Storm/服部克久
9. 海(釧路まで)/ミッキー吉野グループ
10. Moon Stone/益田幹夫
11. 野獣死すべし/荒川バンド
12. Monster/猪俣猛とサウンド・リミテッド
13. Breeze/稲垣次郎とソウル・メディア
14. クインシー・ハーカーのテーマ/横山菁児、トランシルバニア・バロック・アンサンブル
15. 想影/ちあきなおみ
16. Lonesome Cat/Jimmy Hopps=渡辺香津美
17. 古都(四)/山屋清
18. 輪廻/ミッキー吉野グループ
※LPはSide A:M1~M4、Side B:M5~M9、Side C:M10~M14、Side D:M15~M18
LIVE INFORMATION
RYUSENKEI
25th Anniversary Billboard Live Tour
2026年4月18日(土)ビルボードライブ大阪
2026年4月23日(木)ビルボードライブ東京
チケット:https://eplus.jp/sf/word/0000038090
PROFILE: クニモンド瀧口(RYUSENKEI/CMT Production)
RYUSENKEI(ex.流線形)としてレコード制作、ライブ活動のほか、音楽プロデューサー、作詞・作編曲家としても活躍。また自身が運営するCMTプロダクションでは、楽曲提供、音楽制作に加え、ジャケットや広告のアートディレクション&グラフィックデザインなどを手掛ける。日本のシティ・ミュージックをコンパイルした『CITY MUSIC TOKYO』シリーズを各社から発売。また、DJとしても精力的に活動中。
https://linktr.ee/cmtpro
