みずからと向き合い、自身の〈行動の説明〉たる音楽に心を傾け、完成させた12作目。タイトル曲や“Hip-Hop”に孤高を厭わぬ揺るぎなさを見せながら、内なる矛盾をも余白に代えていくその表現は、ラップと併せて時に優しさを湛える。アルバムを進めるにつれ広く社会にも射程を広げるリリックには正しさへの希求や現下の政治状況への反骨も滲んだ。ガザの惨状を前に歌わずにはいられなかった“殺すな”もそうした一端。リンキン・パークの亡きチェスター・ベニントンに英語で不器用に宛てたアルバム・ラストのスポークンワードはいわば彼の心の拠りどころ、歩みはまだ止まらない。