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未来的なサウンドへの志向性を強めたサード・アルバム!

JAMIROQUAI 『Travelling Without Moving』 S2/ソニー(1996)

 ジェイ・ケイの愛するフェラーリのエンブレムにアイコン〈バッファローマン〉を忍ばせたジャケットも目を惹く3作目。環境問題や反物質主義を訴えながら、エコとは真逆のスーパーカーを何台も所有し、自慢げにMVに登場させるスタンスには、言動不一致との指摘もあった。しかし結果的には、苦戦していた北米市場でもついにブレイクスルーを果たし、全世界で800万枚超の特大セールスを記録。ギネスにて〈もっとも売れたファンク・アルバム〉に認定された。このアルバムにおける最大の目玉は、床が動いているように見える中毒性の高いMVが脚光を浴びた“Virtual Insanity”だろう。2005年の日本武道館での公演の際には、実際は演奏されなかったにもかかわらず、某スポーツ紙に〈ヒット曲「バーチャル・インサニティ」などを披露〉と書かれたほどの、絶対的な代表曲だ。制作においてはジェイ・ケイとトビー・スミスの中心軸は不変ながら、パーカッションのソラ・アキンボラ、ギターのサイモン・カッツの新加入もあり、それまで以上に奔放な趣向を展開。“Cosmic Girl”“Alright”などで近未来感を強めたジャズ・ファンク/ダンス路線へと重心を移す一方、ディジュリドゥを軸にした“Didjerama”、牧歌的なレゲエ・ビートが心地よい“Drifting Along”なども収め、“You Are My Love”にはジェイ・ケイのヴィンテージなソウル/ファンクへの愛も滲む。バンドを世界的なポップスターに導いた一枚だ。