チルでメロウなムードから脱却した衝撃の新作と共に〈サマソニ〉へ!

 ジ・インターネットのギタリストであり、ソングライター/プロデューサーとしても高く評価されるスティーヴ・レイシーが〈サマソニ〉に初登場します。しかもサード・アルバム『Oh yeah?』のリリース直後、さらに直前の〈SUMMER SONIC EXTRA〉を除くと約2年半ぶりのライヴというタイミングだけに、どんなパフォーマンスを見せるのかは未知数。その手掛かりになりそうなのが、アルバム『Oh yeah?』で示された彼の新境地です。

STEVE LACY (THE INTERNET) 『Oh yeah?』 L-M/RCA/ソニー(2026)

 まず、アルバム全体から感じられるのは、従来のチルでメロウな作風が後景に退き、サイケデリックかつムーディーな感覚が濃く出ていること。これまで特に映像面でレイシーと組んできたマシュー・カステラノスが制作総指揮を担っている一方、音作りの面では(おそらくティーンガール・ファンタジーの)ニコラス・ウェイスの関与が大きく、追加プロダクションやベース、シンセなどでクレジットされいます。“lovesexdrugbomb”や“the feeling”に漂うスクリューめいたタイム感は、彼の貢献かもしれません。ドリーミーな“is it cool”でのSZA、トリップ・ホップ調の“pure colour”でのエリカ・バドゥ、ボルチモア・ブレイクス的なビートが跳ねる“nice shoes / in your world”でのジョン・キャロル・カービーら客演陣も好演していますが、それ以上に作品を覆う諦観じみたメランコリアが強烈です。

 つまり、『Oh yeah?』は衝撃作……いや問題作かもしれません。この異様なモードがライヴでどう立ち上がるのか、“Bad Habit”の甘さを期待して集まった聴衆がどう反応するのか。必見です!

左から、スティーヴ・レイシーの2022年作『Gemini Rights』(L-M/RCA)、SZAの2022年作のデラックス版『SOS Deluxe: LANA』(Top Dawg/RCA)、ジョン・キャロル・カービーの2023年作『Blowout』(Stones Throw)