ディアンジェロなどを引き合いに欧米メディアで絶賛される英白人アーティストの初作。その聴き味は、ネオ・ソウルとジャズを半分ずつ溶け合わせたものに、スティーヴィー・ワンダーの旋律で味付けし、スティーリー・ダンの洗練をお手本にフォルムを整えたかのよう。美しい多重コーラスから演奏まで含め、すべてを自身でこなしたというが、隅々まで神経が行き届いた隙のない作り込みに驚かされる逸品だ。