ファレル・ウィリアムスのスター・トラックからカニエ・ウェストのG.O.O.D.へ、人気レーベルを渡り歩きながらもなかなか報われることがなかったティヤーナ・テイラーだが、シングル“Google Me”でのデビューから約7年を経てようやく初アルバムの完成に漕ぎ着けた。敬愛するローリン・ヒルへのオマージュとも受け取れるダンスホール調の“Put Your Love On”から静謐な美に息を呑むヴィダル・ディヴィス作のバラード“Sorry”まで、全編が芳醇で気品溢れるブラックネスに貫かれた名唱揃い。流行のアンビエントR&Bとの距離の取り方も絶妙な、2014年流儀のソウル・アルバムに仕上がった。ゲストはクリス・ブラウン、ファボラス、プッシャー・Tなど。全米R&Bチャート初登場1位も納得の傑作。