ロンドンの名門モダン・クラシカル・レーベルVillage Greenにおいて、最も美しく先鋭的な空気を孕んだ作曲家/マルチ・インストゥルメンタリスト、ライアン・ティーグの最新作。ライヒを想わせるミニマルなループを美麗なエレクトロニクスで抱擁したそのサウンドは、2012年のヒット作『Field Drawings』での流麗なオーケストレーションからよりビートへと比重を移し、クラシカルなコンサートホールにおいてもクラブでも鳴らせる許容範囲を断定させない圧倒的な陶酔感を描き出している。まさにポスト=ニルス・フラームと目される実力をこの上なく感じさせる2014年随一の傑作だ。