大学在学中に作ったデモテープを土台に、アコギと歌のみ録音し直して完成させた初作。打ち込みでありながら、どの曲にも〈生〉のグルーヴがある。ヒットした3枚のシングルを頭から順に並べた構成も大胆。初期シェリル・クロウからの影響が顕著に表れてもいる。
打ち込みに加えて生ドラムのループを導入。短い時間に集中して制作されたが、印象的なイントロのリフで掴んでそのまま曲本編に導く技も、英語と日本語の違和感のない合わせ技もさらに磨かれている。また、哀愁が漂うメロディーも増え、2人の本質が表に出はじめた。
生ドラムを導入してビート感を強めることで、グルーヴもずっしりしたものに。1~2作目の延長線上にあるロックンロール“Everybody Needs Somebody”で勢いよく幕を開けるが、むしろフォーキーな“裸の王様”ほか、心に沁み入るバラード群から2人の体温が伝わってくる。
得難い仲間たちとのツアーで自信をつけ、ライヴ・バンドしても大きく成長を遂げた彼らが初めて発表したライヴ盤。2005年5月の日本武道館公演をはじめとする音源から、13の代表曲が選ばれた。スタジオ音源とは異なり、パッションと生々しさをダイレクトに受け取れる一枚。
新たなサウンドを獲得すべく試行錯誤を繰り返して作り上げた意欲作だ。スタイルを変えているわけではないが、レッド・ツェッペリンにオマージュを捧げた“Rain”など、多重録音によって音の厚みとハードさが増し、楽曲の幅も広がった。一音一音の粒立ちが鮮やか。
LAを拠点に活動を続けたあと、同地で浴びた陽光や匂いをそのまま持ち帰って楽曲に落とし込んだ5作目。重厚だった前作からガラッと変わって非常に風通しが良く、ある意味での原点回帰も感じさせる。TOTO仕事で名高いレニー・カストロがここからパーカッションで参加。
〈3.11〉以降の世界に向けて何を歌にし、どう表現するのか。そのことに真摯に向き合い、見つけ出した答えがここに。オリエンタルな音階を効果的に用いた“It's Ok, I'm Alright”など、ポジティヴな力に溢れ、音楽と愛を信じて突き進もうとする意志までもが表れている。傑作だ。