コラム

Riddim Saunter作品やカジヒデキなど外部ワークスからも聴こえてくる、Keishi Tanaka新作『Alley』の美点

Keishi Tanaka 『Alley』 Pt.2

裏通りを彩る美しさを引き継いだ、Keishi Tanakaの関連作品

 『Alley』に封じられている美点は、Keishi Tanakaがこれまでに関わってきたあれこれの作品からも聴こえてくる。ここでは、その一部を紹介しよう。

 まず、アルバム一枚を通してひとつのストーリーを描くような詞世界と、ストリングスやホーン隊も擁するオーケストラル・ポップ風の意匠も施されたグルーヴィーなサウンドは、Riddim Saunterの最後のオリジナル作『Days Lead』にも。物語性にこだわったリリックと、ジャズやソウルといったそもそもの下地に加え、同作におけるネオアコとの出会いで得た胸膨らむような昂揚感は、続いて発表されたカジヒデキとリディムサウンター名義で届けられた2010年作『TEENS FILM』も経由して、自身の初ソロ作『Fill』にも引き継がれている。

【参考動画】Riddim Saunterの2009年作『Days Lead』収録曲“Sweet & Still”
【参考動画】Keishi Tanakaの2013年作『Fill』収録曲“夜の終わり”

 

 一方、Keishiの外部参加作品も、ホーン・セクションや分厚いコーラスワークなどで華やかな大所帯ポップを響かせるthe chef cooks meの2013年作『回転体』や、モータウン調の“HEY HEY GIRL! HEY DJ!”も飛び出すカジヒデキのサマー・アルバム『ICE CREAM MAN』など、Keishiの音世界と通じる作風を持つもの。さらに、弾き語りコンピ『PLAY THINGS 2』では、アレッシーのジャジーなAORナンバー“Oh Lori”を柔らかい歌唱で自身のものにしている。 

【参考動画】カジヒデキの2014年作『ICE CREAM MAN』ダイジェスト音源
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