ネオ・ソウル的なグルーヴ探求を継承しつつ、インディー・ポップ回帰も果たした『Chase After』から約2年ぶりの6作目。自宅スタジオでほぼすべての演奏からプログラミングまでをみずから担った一枚で、ハンドメイドな手触りも含めて実にチャーミングだ。ベッドルーム感覚のディスコ“Roll A Die”、ローファイな打ち込みゆえにメロディーの包容力が引き立つ“心たち”など、彼の部屋へ招かれたかのようなインティメイトな空気を湛えている。歌詞はいつにも増して当たり前の生活から生まれた息遣いを描いており、自然体ながらも丁寧に選び抜かれた言葉はとにかく優しい。