テキサスからニューヨーク、そして世界へと羽ばたく大所帯インスト・バンド
2004年ベース奏者のマイケル・リーグを中心にテキサスで結成され、ニューヨーク・ブルックリンを活動の拠点として急成長してきた大所帯インスト・ユニット、スナーキー・パピー。ホーン隊やパーカッションを加えた大所帯での生演奏、ほぼ無名の若きプレイヤー達のイキの良いプレイ、どん欲なまでの雑食性が反映された音楽性を兼ね備えた話題のユニットだ。
シンガーをゲストに迎えたスタジオライヴ音源の配信リリースが話題を呼び、リリースの度に配信チャートの上位を独占してきた。2014年にはR&Bシンガーのレイラ・ハザウェイを迎えた“Something”が、グラミーを受賞し、一気に注目を集め、ついに満を持して新生インパルス・レーベルからのメジャー・デビューとなった『Sylva』がリリースされる。
一貫してライヴでの〈現場主義〉を貫き、自分たちの生演奏での音源と映像制作に徹底したこだわりを見せる彼らの最新作は、オランダのメトロポール・オーケストラとの共演で総勢63人のメンバーによるスタジオ・ライヴ録音となった。メトロポール・オーケストラは、モダンジャズやポップス界の大御所達との数々の共演で知られ、近年もベースメント・ジャックスからロバート・グラスパーまで様々なジャンルのアーティスト達と共演しているユニークなオーケストラだ。
バンドとオーケストラとの共演と言う枠組を超えて、ブラスとストリングス、そしてフィーチャリングされる各パートの見せ場が有機的にクライマックスを演出し、一気にリスナーを引き込んでいく。アナログシンセの極太サウンドとオーケストラとの共演から、ソリッドなブラスロック・サウンドへ、そしてアフリカ音楽へと展開していくアレンジの幅広さは彼らのとてつもない音楽愛のなせる技だ。稀有なビートメイカーとして注目度急上昇中のロバート・シーライト(ドラムス)の強靭なビート、ヴォコーダー技もキメてくれるリーダーのマイケル・リーグのベース・ソロなど、メンバーの個人技も聴き所多し。