4 the SUMMER in you
[ 特集 ]夏フェスを聴こう、2015。
今年もこの季節がやってきました! 楽しい日々をもっと楽しくするために、スケジュール調整といっしょに耳の夏支度もそろそろ始めませんか~!?
WOLF ALICE
ラウドでハードな美狼が、〈サマソニ〉に巨大なモッシュ・サークルを作る!
昨年に本誌の表紙を飾ったダイナソー・パイル・アップをはじめ、ファリス・バドワン(ホラーズ)の弟がフロントに立つルーム、バーミンガムのピースなど、90年代のUSオルタナから強い影響を受けたバンドが、いまUKでは百花繚乱だ。BBCの選ぶ〈Sound Of 2015〉にもノミネートされたロンドン在住のこちらの4人組、ウルフ・アリスはそんな90sリヴァイヴァルの決定打となるポテンシャルを秘めている。8月には〈サマソニ〉で初来日も決定している彼らに、まずはファースト・アルバム『My Love Is Cool』を完成させた現在の心境を尋ねてみた。
「もちろんナーヴァスだよ。でもリスナー全員をハッピーにすることは不可能だし、それを求めるべきじゃない。誰にも楽しんでもらえなかったら心が折れるけどね。少しでもいいから誰かがこの作品に繋がりを感じてくれれば、俺はそれで嬉しいよ」(ジョエル・アメイ、ドラムス:以下同)。
もともとは紅一点のエリー・ロウゼル(ヴォーカル)と、ジョフ・オディ(ギター)によるフォーク・デュオとして2010年に活動を開始した彼ら。さきほど〈90sリヴァイヴァルの決定打〉と書いたが、キングス・オブ・レオンやピクシーズ、ヤー・ヤー・ヤーズをフェイヴァリットに挙げている通り、グランジもシューゲイザーもアメリカーナも呑み込んだサウンドは、細かくカテゴライズされることをあえて避けているようにも受け取れ、とても刺激的だ。どうやらリズム隊の加入が、グループに大きな変化をもたらしたらしく……。
「俺とセオ・エリス(ベース)の前に他のリズム隊が入ったんだけど、音楽性はその時から少しずつ変わったんだ。そして俺たちが加わり、ロンドンで何度もライヴを重ねるうちに演奏がさらにラウドに、ハードになっていった。オーディエンスの前でプレイすると、できるだけ激しいサウンドを作ろうとするからね。だから、そういう会場の緊張感に導かれ、自然と現在のスタイルになったんだよ」。
地元でのライヴ映像をチェックするとメンバー全員がマイクを取っていて、オーディエンスをひとつにしようと呼びかける姿が印象に残った。「俺たちは〈4人でひとつ〉っていう感覚が強いんだと思う」とジョエルは語ってくれたが、ウルフ・アリスの真の魅力はステージの上でこそ発揮されると言っても過言ではない。とりわけ、ソニック・ユースとクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジが出会ったようなイントロが鳥肌モノの“Giant Peach”は、〈サマソニ〉の会場を瞬時にヒートアップさせること間違いなし。
「“Giant Peach”に込めているのは躍動感だね。ライヴに最適なんだ。みんながモッシュしたり、ジャンプできるようなエキサイティングな曲で、自分たちも演奏していて純粋に楽しい。PVもヘンテコでおもしろいし、気に入ってもらえたら何よりだよ。毎回オーディエンスの反応も凄くって、LAでもみんな頭を振ってモッシュしてた。日本のファンも絶対に楽しめると思うよ」。
来たる〈サマソニ〉では多くのUKアクトと並び、〈SONIC STAGE〉に出演する彼ら。最後に、日本での初ライヴにかける意気込みをどうぞ。
「スシを毎日食べて、ずっとサケを飲んでいたい……っていうのは冗談で、とにかく自分たちが持っているものすべてを出し切ろうと思ってる。地球の裏側だからジェット・ラグが酷いかもしれないけど、本当に興奮してるんだ。日本のファンは音楽をしっかり聴くし、クレイジーにもなるって聞いたよ。フェスだと俺たちのことを全然知らないオーディエンスもいるから、それって凄くクールだよね。あと、マリリン・マンソンのショウが観たい! 彼らに生で会えるのも楽しみだな」。