HISTORY & DISCOGRAPHIC THE CHEMICAL BROTHERS
ケミカル・ブラザーズの20年
★90年、トム・ローランズの在籍するアトムがフィル・ウェルズの“Sea Of Beats”にフィーチャーされる
★90年、トムの在籍するアリエルがシングル“Bokadilo”でデビュー
★92年、ダスト・ブラザーズ名義でのファースト・シングル“Song To The Siren”をリリース
★93年、ダスト・ブラザーズ名義でレフトフィールド=ライドンの“Open Up”をリミックス
★93年、トムがハープーン名義のシングル“B-Dat”をリリース
★94年、レジデントを務めるイヴェント〈The Heavenly Sunday Social〉がスタート
★95年、ケミカル・ブラザーズとしての初シングル“Leave Home”をリリース
★95年、シャーラタンズの“Toothache”を“Chemical Risk”としてリミックス
★95年、メソッドマンの“Bring The Pain”をリミックス
THE CHEMICAL BROTHERS Exit Planet Dust Junior Boy's Own/Virgin(1995)
先行ヒット“Leave Home”や、シャーラタンズのティム・バージェスが歌う“Life Is Sweet”などで知られる初作。セカンド・サマー・オブ・ラヴからのレイヴ精神とブリット・ポップ時代の雰囲気をポップに繋いだという意味でもストライクだったのだろう。バレアリックな終曲でのべス・オートンも印象的。
★96年、マニック・ストリート・プリーチャーズの“Everything Must Go”をリミックス
★96年、初のミックスCD『Live At The Social Volume 1』(Heavenly)をリリース
★97年、プライマル・スクリームの“Burning Wheel”をリミックス
THE CHEMICAL BROTHERS Dig Your Own Hole Freestyle Dust/Virgin(1997)
本作から怒濤の全英No.1アルバムが続いていくことに。ノエル・ギャラガーをフィーチャーした“Setting Sun”に、ソリッドな“Block Rockin' Beats”という2曲の全英1位ヒットを生んだセカンド・アルバム。ネタはヒップホップの定番が多数耳につくものの、ダイナミックな引用の手捌きそのものがロッキッシュに響いた。
★98年、ミックスCD『Brothers Gonna Work It Out』(Freestyle Dust/Virgin)をリリース
★98年、サントラ『Deadman On Campus』(Dreamworks)にて本家ダスト・ブラザーズの“Realize”をリミックス
THE CHEMICAL BROTHERS Surrender Freestyle Dust/Virgin(1999)
ふたたびノエルを迎えた“Let Forever Be”も用意しつつ、“Hey Boy Hey Girl”を先行カットした点に彼らの自信と気概を見る。バーナード・サムナーやホープ・サンドヴァルの参加も名前のデカさよりトランシーな素材感を重視して組み込んだような感じだ。
★99年、〈フジロック〉に初出演
★99年、プライマル・スクリームの“Swastika Eyes”をリミックス
★2000年、ファットボーイ・スリムの“Song For Shelter”をリミックス
THE CHEMICAL BROTHERS Come With Us Freestyle Dust/Virgin(2002)
スクリーマデリカな色味のジャケからして、眩しい何かが脳に刺さる陶酔感の源泉は言わずもがな? スピリチュアルなアシッド・グルーヴの“It Began In Afrika”や“Star Guitar”など眺めの広さも印象的で、本作の方向性が奏功したからこそケミカルは現在も進行形なのだと思う。リチャード・アシュクロフトが客演。
★2003年、シングル集『Singles 93–03』(Freestyle Dust/Virgin)をリリース。フレーミング・リップスとコラボした“The Golden Path”、ケイオスとの“Get Yourself High”という新曲も収録
★2004年、カイリー・ミノーグの“Slow”をリミックス
THE CHEMICAL BROTHERS Push The Button Freestyle Dust/Virgin(2005)
Q・ティップを迎えたヒット・チューン“Galvanize”を筆頭に、当時フレッシュだったブロック・パーティからケリー・オケレケ、マジック・ナンバーズ、アンナ・リン・ウィリアムスら気鋭の顔ぶれを多数招き、自分たちの明快な断面を切り取って提示したようなグラミー受賞作。診断メーカーのようなジャケは謎だ。
★2005年、ダフト・パンクの“Around The World”をリミックス
THE CHEMICAL BROTHERS We Are The Night Freestyle Dust/Virgin(2007)
ニューレイヴが元気な時代に投じられた6作目。前々作の延長線上にあるトランス的な意匠に立ち戻りつつ、クラクソンズとライトスピード・チャンピオンを呼んだ“All Rights Reversed”などのコラボもあるが、体温はやや低めな印象。ファーサイドのファットリップ、アリ・ラヴとの粘っこいトラックにはいつもと異なる印象もあり。
★2008年、ベスト盤『Brotherhood』(Freestyle Dust/Virgin)をリリース。スパンク・ロックとコラボした“Keep My Composure”などのエクスクルーシヴも収録
★2008年、オアシスの“Falling Down”をリミックス
THE CHEMICAL BROTHERS Further Freestyle Dust/Virgin(2010)
前作とベストを挿んでコラボ気分に一段落ついたのか、初めてゲストによるリード・ヴォーカルなし(コーラスはあり)でストイックに完成された野心的な一作。そのシンプルさゆえにファンダメンタルなケミカル感がダイレクトに伝わってくる印象で、この路線でももっと作ってほしくなる。メロディックな“Swoon”が最高!
★2011年、全曲を手掛けた同名映画のサントラ『Hanna』(Sony Classical)をリリース
★2012年、ロンドン五輪開催にあたり、自転車競技専用ドームの公式テーマ曲“Theme For Velodrome”を提供
★2012年、ライヴDVD+CD『Don't Think』(Freestyle Dust/Virgin/ユニバーサル)をリリース。前年の〈フジロック〉でのパフォーマンスを収録したもの
★2013年、トム・ローランズが初のソロ名義シングル“Through Me”をリリース
★2014年、ロード監修のサントラ『The Hunger Games: Mockingjay - Part 1』(Republic)に、ミゲルとのコラボ曲“This Is Not A Game”を提供