『La Di Da Di』から聴こえてくるあれやこれやを勝手に分析!

ファック・ボタンズの片割れによるソロ3作目。シンセや打ち込みのループを軸にじわじわと恍惚感をもたらす手法のみならず、ズタズタに切り刻まれたビートの異質さ、そしてサイケ・ロックもトランスもIDMも飛び出す〈まさか!〉な喰い合わせは、バトルスの最新モードとも共振するものだ。 *上野

ジョンもメンバーに名を連ねるUSオルタナ界のスーパー・バンドによる4作目。トレヴァー・ダンの加入でジャズ色が強くなるかと思いきや、かつてなくストレートな重低音ロックを轟かせたマイク・パットン劇場に男惚れ。『La Di Da Di』で時折顔を覗かせるポスト・ハードコア的な側面を紐解く鍵がここに!? *上野
初作の頃からアフロビートに接近してきたバトルス。当然ストレートに導入するのではなく、ジャムトロニカとそれを合体させた冒頭曲や、お囃子ノリも感じる“FF Bada”など、今回も咀嚼の仕方は一筋縄じゃいきません。そんなヒネリの効いたエスノ感は、ドイツ発のこのファンク楽団と通じるところ。 *山西

7月の来日公演も盛況だったバルセロナのアヴァン・ロック・デュオ。地元の伝統音楽からジャズ、テクノ、サルサまで多彩なバックグラウンドを匂わせる複雑なプロダクションと、バカテクなライヴ・パフォーマンスは〈ポスト・バトルス〉と呼ぶに相応しい。彼らの最新作も『La Di Da Di』と併せてぜひ! *上野

『Gloss Drop』に駆け付けたマティアス・アグアーヨへの恩返しか、彼の主宰レーベルから登場したロシア人DJによる本作に、ジョンがドラムス参加。ここでの異国情緒溢れる肉体的なミニマル・テクノが、新作で聴ける“Dot Net”のインスピレーション源になったのでは?……と私は推測しています。 *山西

『La Di Da Di』に収められた“Tyne Wear”や“Non-Violence”でのハード・ロック志向もさることながら、“Luu Le”の(いい意味で)ぎこちないサイケなレゲエ味が、どこか本作の“D'yer Mak'er”っぽかったり。ツェッペリンを聴いて育ったというジョン、そこから受ける影響は47歳になったいまも絶大なようで。 *山西

自身初のスタジオ録音盤となった本作は、バトルスと同じくマシーンズ・ウィズ・マグネッツでレコーディングされた。音と音がガチンコでぶつかり合うカタルシスと、人力ループのトランシーな昂揚感は『La Di Da Di』と似たものがあり。当人いわく〈バトルス×ビョークを意識した一枚〉なんだって。 *上野
幾度となくバトルスとライヴ共演してきたこの3人組も、『La Di Da Di』と同日に新作を発表。エイドリアン・シャーウッドに指揮を委ねたことも奏功し、徹底的に贅肉を削ぎ落としたリフ、ビート、ノイズの反復が聴き手の脳内麻薬を分泌させる。イアンがめざした〈ミニマリズム〉はきっとこんな音だったはず! *上野