幻の名盤と呼ばれるポップ・グループのセカンド・アルバム『For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder?』(80年)が、メンバーみずからリマスターを手掛け、来年2月19日にリイシューされる。

THE POP GROUP For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder? Rough Trade/ビクター(1980)

日本では96年にリイシューされたのを最後に、長らく廃盤状態が続いていた伝説の一枚。ポスト・パンクが再評価された2000年代においても、本作については復刻の噂が流れては中止となる膠着状態が続いていた。クォリティーと歴史的意義を踏まえても、今回のリイシューはまさしく快挙と言えるだろう。

そのサウンドは79年発表の初作『Y』以上に凶暴で、パンクやファンクダブフリー・ジャズを内包したカオティックなサウンドが渦を巻く。〈私たちはいったい、いつまで大量殺戮を黙って見過ごすのか?〉というタイトルに象徴される社会性の強いメッセージは、35年を経過した今日も普遍性を保ったまま。叫ぶようなマーク・スチュワートのヴォーカルも強く胸を打つ。ちなみに今回のリイシューに当たって、当時アルバムに収録される予定だったものの結果的に外されていた“We Are All Prostitutes”が、オリジナル収録曲の“One Out Of Many”と差し替えて収められているという。

 

さらに、ポップ・グループによる今年2度目の来日公演が、12月7日(月)、8日(火)に東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGE、12月9日(水)に大阪・梅田CLUB QUATTROで開催される。今回の公演では、最新作『Citizen Zombie』の楽曲に加えて、前回は1曲も披露されたなかった〈How Much Longer〉からのナンバーも披露されるという。東京公演ではMikikiで連載中のBO NINGEN、大阪公演ではDAMAGEがオープニング・アクトを務め、今年の締め括りに相応しい熱狂の一夜となるはずだ。

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