バーンスタインにとってシューマンの第2番がいかに掌中の珠というべき存在だったか、心底から首肯できる1983年のライヴ。バイエルン放送協会正規音源をクリストフ・スティッケルがマスタリング。20歳代の1940年代から死去する3か月前の1990年札幌PMFまで、さまざまな音源ではあるが、ディケイドごとにレニーの指揮を辿ることができるのはこの曲だけ。1985年、ウィーン・フィルとのCD・映像で到達した集大成に先立つ、バイエルンとの渦巻くように上昇する揺るぎない筆致がそびえ立つ。自作の“ディヴェルティメント”は、ある種、レニー流の〈オーケストラ讃歌〉だ。明朗闊達な、オケとの信頼の証とも思える心温まるドキュメント。
レナード・バーンスタイン(Leonard Bernstein)『シューマン:交響曲第2番、バーンスタイン:ディヴェルティメント』83年バイエルン放送響との揺るぎない筆致がそびえ立つ名演を収録
LEONARD BERNSTEIN , BAVARIAN RADIO SYMPHONY ORCHESTRA
『シューマン:交響曲第2番、バーンスタイン:ディヴェルティメント』
BR Klassik
2024