ハイティンクの82歳時、バイエルン放送響の高機能をもってハイティンクの円熟ぶりを十全に示した2012年のライヴ。例えば第1楽章、展開部での神々しいコラールの筆致は、バイエルン特有の光輝まばゆいソノリティと見事に合致し、85年のウィーン・フィル盤を想起させるひときわ感銘深いもの。これでハイティンクの“ロマンティック”は、コンセルトヘボウ管(65年)、ウィーン・フィル(85年)、ロンドン響(11年のライヴ)、バイエルン放送響(12年のライヴ)、ベルリン・フィル(14年のライヴ)と、名だたるトップオケとの共演で変遷をたどることが可能となった。当盤は特に好条件が揃った音源として聴き逃せない。
ベルナルト・ハイティンク(Bernard Haitink)『ブルックナー:交響曲第4番』バイエルン放送交響楽団と共に円熟ぶりを示した2012年の熱演が初CD化
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