生誕150周年ということもありサティ作品のリリースが盛り上がりを見せているが、ここでオランダのミニマル・ピアニスト: イェローン・ファン・フェーンもこれに参戦。過去に連弾作品や初期小品集はリリースしていたが、満を持しての全集の完成だ。ジムノペディは驚くべき"遅さ"で奏でるなど、自身が得意とするアンビエント的なアプローチでサティに挑むことで、他の作品集・全集とは一線を画す。9枚目にはあのヴェクサシオンのみが収録というのもそれを物語っている。「家具の音楽」(連弾版を本作にも収録)を提唱し、音楽の在り方に一石を投じたサティ。その偉業を強く感じるなら本作を推したい。