皆さんこんにちは。fhánaのリーダーでキーボード(とコーラス、たまにギターも)担当の佐藤純一です。fhanaは僕と、ギターのyuxuki waga、サンプラー諸々のkevin mitsunagaの男性3人で結成されました。それぞれ主にインターネット上で活動していたことや、アニメやゲーム好きであるという共通項があります。そこにゲスト・ヴォーカルだったtowanaが後に正式メンバーとして加わり、現在の4人組になりました。

 さて、fhanaの男性3人が大好きな作品といえば「CLANNAD」(Key制作の恋愛アドヴェンチャー・ゲームに始まるメディアミックス作品)です。泣けます。特にアニメの〈2期〉の「CLANNAD ~AFTER STORY~」は号泣必至。また、〈1期〉のエンディング曲でもある“だんご大家族”は本当に名曲です。ちなみに、fhánaはメイド喫茶で“だんご大家族”のオルゴールを回しながら結成された、というエピソードもあります。というわけで、最初のレコメンは「CLANNAD」及び“だんご大家族”です!

石原立也,中村悠一 CLANNAD AFTER STORY コンパクト・コレクション TBS・光坂高校演劇部(2015)

eufonius,茶太 メグメル 〜cuckool mix 2007〜/だんご大家族 Key Sounds(2007)

 アニメ関係以外からもピックアップしましょう。僕は〈哀愁〉や〈寂寥感〉が漂う作品に惹かれるのですが、英国のバンド、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインにはそんな雰囲気があって大好きです。僕にとってのマイブラは、〈虚無感の漂う轟音ギター〉〈孤独のなかにある安らぎ〉――そんな音楽です。特にセカンド・ アルバム『Loveless』は、いわゆる〈シューゲイザーの金字塔〉。そのなかでも“Sometimes”という曲は、ドラムもベースもなく、ノイジーに歪んだギターの海に儚いメロディーの歌がたゆたっていて、まさに、〈空っぽのロマンチシズム〉。

MY BLOODY VALENTINE Loveless Creation(1991)

 ソフィア・コッポラの監督映画「ロスト・イン・トランスレーション」においては、東京の高級ホテルで孤独を感じていたシャーロット(スカーレット・ヨハンソン)とボブ・ハリス(ビル・マーレイ) が、ホテルを抜け出して東京のナイト・シーンを冒険し、疲れ切ってタクシーでホテルに帰る場面でこの“Sometimes”が流れるのですが、心地良い疲労感と眠気のなかで、東京の光の瞬きたちが流れ去っていく一連のシーケンスは最高です。虚無と孤独の世界に一瞬だけ光が挿したような儚さがあります。そんな一瞬の輝きは不意に訪れ、不意に去っていく。この文章も不意に終わります。ではまた次回。

ソフィア・コッポラ,ビル・マーレイ ロスト・イン・トランスレーション 東北新社(2003)

 


佐藤純一
FLEETとして活動していた佐藤とs10rwのyuxuki waga、kevin mitsunaga(Leggysalad)、女性ヴォーカリストのtowanaから成る4人組、fhánaのリーダー。キーボード/コーラスを担当。「テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス」のエンディング・テーマとなったニュー・シングル“calling”(ランティス)をリリースしたばかりの彼らの最新の動向は、オフィシャルサイト〈http://fhana.jp/〉にて!