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 Reiが選ぶ、『ORB』に影響を与えた格好良いアルバムを本人が解説!

THE DUKES OF STRATOSPHEAR Chips From The Chocolate Fireball Virgin(1987)

XTCが変名でやっていたサイケ・ポップ・バンドですね。XTCは以前からちょっとは聴いていたんですけど、こういう裏バンドをやっていたとは。今回は“Pay Day”でサイケやエスニックなサウンドを採り入れたいと思っていて、そういう感じの音源を探していたときに、友達から貸してもらいました。ミックスやアレンジがよく練られているし、カッコイイですね。ジャケットをちょっと羽織ったぐらいのサイケ感が良い。ズブズブなサイケ感は私からは出せないので、これぐらいのカジュアルさがちょうど良くて、そういう感じが私の曲にも反映されていると思います。

 

THE BEATLES Magical Mystery Tour Parlophone/ユニバーサル(1967)

こういうコンセプチュアルな作りのアルバムが好きなんですけど、今回はサイケっぽいものを探していたときに改めて聴き直していました。ビートルズはもともと大好きで、これまでに何千回聴いたかわかりませんが、映画「マジカル・ミステリー・ツアー」も大好きなんです。実は“COCOA”のミュージック・ビデオで、この映画のジョン・レノンへのオマージュを入れてるんです。「マジカル・ミステリー・ツアー」自体、楽しいことは何だってやってみようよ、っていうようなレイドバックした精神性があるんですけど、そういったことの大切さを学んだ作品でもあります。

映画「マジカル・ミステリー・ツアー」のトレイラー映像

 

THE JIMI HENDRIX EXPERIENCE Are You Experienced? MCA(1967)

これもデュークスやビートルズと同じ理由で聴いていた一枚。ジミヘンの演奏は、心とギターがケーブルで繋がっているんじゃないかというほど歌心を感じさせるフレージングだし、音もシグネチャー・サウンドというか、彼にしか出せないものが生まれてますよね。あと彼の好奇心旺盛なところも好きです。ビートルズの“Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band”をリリースされた3日後にカヴァーしちゃったり、ホント心が柔らかい人だったんだなと思いますね。

 

JEFF BUCKLEY Grace Columbia/ソニー(1994)

今回挙げた5枚はアルバム制作中、頻繁に聴いていたので、どういう影響が作品のどこに表れているか説明しづらいんですが。このアルバムに関してはトータルで素晴らしくて、最初から通して聴くとゾクゾクしてしまいます。深い余韻が残るというか。彼はすごくエモーショナルなシンガーですよね。『ORB』は、これまで形にしたことのない感情を音楽にしてみたらどうなるんだろうという好奇心のもとに作っていたんですが、そういう部分での影響があるかもしれない。

 

ALANIS MORISSETTE Jagged Little Pill Maverick/Rhino/ワーナー(1995)

彼女もまたエモーショナルなシンガーで、とても人間的だし、まったく無理をしていない感じがいいなと思っていて。このアルバムでの彼女の声の質感がすごく好きなんですが、目の前で歌っているような感覚があるんですよね。息遣いが生々しいし、子音の響きやキラッとするような音がヴィヴィッドに伝わってくるようなミックスになっています。『ORB』も私の声の表情がよくわかるように作りたかったから、参考になりました。