パリで演劇、実験的な即興音楽、ペルシャ音楽などを学んでいたLeonore Boulangerの3作目となる本作は、パリとベルリンを行き来し、鍛冶職人の工場で録音されたという。Aksak MaboulSlapp Happy、カンタベリーシーンまたSARAVAHより発表されたBrigitte Fontaineといった真に革新的な音楽の遺産をしっかりと受け継ぎ、それらの影響が節々に感じられる。カット&ペースト的な感性や、音の縦のラインが音響的に独創的である点は現行の新しい音楽を生み出しており、それをアナログな感覚と編曲の妙技でしっかりと聴かせるバランス感覚はこの人ならではのもの。また独創的な声、語り口も聴きものだ。