石原洋が参加せず、久々のセルフ・プロデュースとなったニュー・アルバム。前作に続いてメロウなアンサンブルが中軸に置かれているが、音像が極端にデッドなものへと変貌しており、生々しくもぶっきらぼうで、ディストピア的な荒廃をより強く感じさせる作品に。そうしたムードを象徴するのは元来のグルーヴすら放棄した感のある“寝つけない”だが、スウィートすぎるゆえに寒々しい“もしあったなら”も凄い。