前作でオルガン・プレイでの能力を発揮したジュリオ、今回はイタリア・パルマ学院でのポール・ブレイ研究の成果を踏まえての作品となった。決して易しい演奏ではない、しかし、ジャズに新鮮な驚きや真摯な探究心を求める方にとっては格好の作品だ。ブレイが70年代に示したフリージャズへの回答を40年の時を超えてさらに進化させたテンションをここに収録。オーネット・コールマン、モンク、そして、ポールの細君でもあったカーラ・ブレイの3作品にその成果は集約されている。ジャズがいまだに進化を遂げていることを確信させてくれる一枚だ。イタリアジャズは、まだ、強かに存在する。