BLOOD IS THICKER THAN WATER
[ 緊急ワイド ] 血は水よりも濃し
どうしてこんなに息がピッタリなのかって? それは同じ屋根の下で、同じ物を食べ、同じ音楽を聴いて育ったから。お互いを知り尽くした兄弟姉妹グループならではの、調和の取れたアンサンブルが悪いわけないよ!

★Pt.1 IBEYI『Ash』
★Pt.2 KITTY DAISY & LEWIS『Superscope』
★Pt.3 THE LEMON TWIGS『Do Hollywood +6』
★Pt.4 SPARKS『Hippopotamus』
★Pt.5 THE CRIBS『24-7 Rockstar Shit』

 


いま巷を騒がせる血縁グループはこれだ!

HAIM Something To Tell You Polydor/ユニバーサル(2017)

両親と古典ロックのカヴァー・バンドをやりながら幼少期を過ごした3姉妹の普遍的な魅力は、本作にもしっかり息づいている。阿吽のコーラスを軸に置くことを絶対条件に、オーウェン・パレットによる弦アレンジなど往年のA&M作品を意識したと思しき小技も効かせ、第2章も順風満帆だ。 *山口

 

WILD BELLE Dreamland Columbia(2016)

ヴォーカル担当のお転婆な妹、それを優しく見守るマルチ・プレイヤーの兄という画が微笑ましいシカゴの2人組。人気を決定付けた本作は、それまでの生音志向なサイケ・ポップと、メジャー・レイザーとの共演を通じて体得した南国ベースが合体! すかさずビヨンセも反応していましたっけ! *中井

 

AJR The Click AJR(2017)

長男はコロンビア大学の卒業生で、弟2人も同大学に通っているNY出身の知性派トリオ。作曲から録音、マスタリングまで3人だけで行ったこの2作目ではクラシック音楽の有名フレーズも引用しながら、電子音と生楽器、そしてコーラスを分厚く積み上げ、ファンみたいな音世界を創造しています。 *中井

 

THE SECRET SISTERS You Don't Own Me Anymore New West(2017)

T・ボーン・バーネットの秘蔵っ子として華々しくデビューしながらも、不運続きだったアラバマの姉妹フォーク・デュオ。再起を賭けた3年ぶりとなる本作ではパートナーをブランディ・カーライルにチェンジし、〈ダーク・ゴスペル〉とでも形容すべき新たな表現を身につけている。 *山口

 

TEGAN AND SARA Love You To Death Warner Bros./ワーナー(2016)

カナダのフォーク・シーンを出自とするこの双子は、80s風のエレポップに衣替えして見事ブレイク。グレック・カースティンらしい優美な音飾が、透明感たっぷりのハーモニーをキラキラと引き立てています。フレーミング・リップスやオール・タイム・ロウ作品への客演仕事も素敵でしたよね! *中井

 

NITE Reborn Cleopatra(2017)

双子兄弟による色っぽい中高音域のヴォーカル(聴き分けるのが困難!)と、前のめりなシンセ・リフで彩られた一枚。メロディー運びやコーラスの重ね方など細部に渡ってティアーズ・フォー・フィアーズへの憧れが滲み出ていて、〈カナダから現れたハーツのライヴァル〉といった雰囲気です。 *中井

 

JEFF THE BROTHERHOOD Zone Dine Alone(2016)

作曲家/プロデューサーのロバート・エリス・オロールを父に持つナッシュヴィルの兄弟デュオ。ガレージ・ロックから緩やかにパワー・ポップ方面へ路線変更を続け、この最新作はまるで〈ラリったをウィーザー〉の如し。ジャック・ホワイトが一目置くノイズ使いも冴え渡っている。 *山口

 

ABLEBODY Adult Contemporaries Lollipop/RALLYE(2016)

ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハートの元メンバーであるホーホハイム兄弟が、LAに移住して本格始動させたデュオ。プリファブ・スプラウト愛溢れるネオアコに、アリエル・ピンク周辺の人脈とツルむことで培ったネオAORなテイストを足し、オシャレ筋からも支持を獲得中! *中井

 

THE SHERLOCKS Live For The Moment Infectious/HOSTESS(2017)

2組の兄弟から成るバンドってことで、本特集内ではやや変則的な4ピース。彼らの実力はキングス・オブ・レオンのツアー・サポートに抜擢されたことから推して知るべし。ド直球の血気盛んなギター・ロックが、同郷シェフィールドの先輩であるアークティック・モンキーズの再来と話題に。 *山口