DIGGIN IN THE CARTS
日本のゲーム音楽をハイパーダブがコンパイル!
VARIOUS ARTISTS Diggin In The Carts Hyperdub/BEAT(2017)
現代ではそうした特性は失われているが、鳴らせる音の数や種類に限界があった頃のゲーム・ミュージックは、その制約ゆえの創造性によって、チップチューンやニンテンドーコア(ピコリーモ)などの直接的な例を筆頭に、後の音楽にさまざまな影響を残してきている。そんな日本産ゲーム音楽をハイパーダブ監修でコンパイルしたのが『Diggin In The Carts』だ。収録曲は8~16ビットの家庭用ゲーム機からMSXやPC-88といったPC、アーケード機までさまざまなゲームから選ばれた、どこかコナミ多めの全34曲。森本晃司のアートワークは90年代っぽいが、やはり80年代後半の曲がおもしろい。
佐藤理 OBJECTLESS: 2017 REMASTERED EDITION Skating Pears/ミュージックマイン(2017)
また、本盤と直接関係はないが、同作のライヴ・イヴェントに出演していた佐藤理の『OBJECTLESS: 2017 REMASTERED EDITION』も紹介しておこう。ゲーム界では「東脳」「LSD」で知られ、今年は15年ぶりの新作も出した彼だが、これは83年に佐藤薫(EP-4)のレーベルに残したカセット作品を初CD化したもの。制約ゆえの創造性という意味で通じる部分は多いはずだ。