元Galileo Galileiのフロントマン、尾崎雄貴が始動させたソロ・プロジェクトのファースト・アルバム。弟の尾崎和樹(ドラムス)やデトロイト出身のダン・ウォレス(サックス)らがサポートし、マスタリングはあのグレッグ・カルビという布陣で、バンド時代とはまったく異なる想像以上の傑作を届けてくれた。冒頭“車に乗って”から伝わる一人旅みたいなゆったりした空気は、しがらみからの解放。“Idea01”ではメロトロンにギター、“ウォールフラワー”ではサックスの芳醇な響きに酔える。意味を持たせすぎない歌詞も含め、諸々が彼史上最高レヴェルで成功していると思う。穏やかで、狂っていて、程良く甘い聴後感。“墓場の蝶”のシャウトが清々しいところとか、死を目前に満面の笑みを見せるような強さがある。