フランク・オーシャンがヴァレンタイン・デーに合わせ、〈夜遅くに(in the late nite)〉というコメントとともに“Moon River”のカヴァーをYouTubeで公開した。
同曲は61年の映画『ティファニーで朝食を』の主題歌で、主演のオードリー・ヘプバーン自身が歌っている。名画の主題歌という以上にジャズやポップスのスタンダードとして親しまれ、これまでに多くのシンガーがカヴァーしている。そんなポピュラー音楽史に残る名曲をぼくらのフランキーが歌って、よくないわけがない(涙)。
イントロダクションでのカウント、何重にもダビングされ、ハイ・ピッチに変調されたフランク・オーシャンの歌声、繊細なタッチのギター、『Blonde』の音楽性からあきらかに地続きにあるビートレスの、アンビエント風のサウンド……。〈ああ 夢売る人よ 私の心を砕くあなた/どこへ行こうとも おなじ道を歩むわ〉〈2人の放浪者が世界を見に行く〉〈私たちはおなじ虹の終わりを追いかける〉と歌われる“Moon River”の歌詞も、彼が歌うことによって特別な意味を静かに帯びていく(涙)。
フランク・オーシャンが新曲を発表するのは2017年8月29日にリリースされた“Provider”以来、約6か月ぶり。常にその一挙手一投足が注目される音楽家だが、2018年に新作をリリースすることを示唆するようなTumblrの投稿も話題となっただけに、彼の動向からますます目が離せない。