左から、キャン・マイカ、ヤママチミキ、ユメノユア、テラシマユウカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソン、アヤ・エイトプリンス

 

別れに意味がなければ、出会ったことに何の価値がある? 怒涛の日々を泣き笑いで走り抜けてきた7人のニュー・シングルは未来への道を拓く!

 昨年5月に始まったカミヤサキとアヤ・エイトプリンス(BiS)の期間限定トレードもまもなく終了。アヤを含む7人での最後の大舞台となるマイナビBLITZ赤坂でのツアー・ファイナル〈MAKING THE ROAD〉も、この本が出る頃には無事に終わっているはずです。そんな転機を飾るニュー・シングル“BREAKING THE ROAD”は、この7人の集大成にして、グループの今後の進路を示すような好内容に仕上がりました。

GANG PARADE BREAKING THE ROAD T-Palette(2018)

 

WE ARE THE ONE

――まず、この7人で過ごした10か月で最大の思い出というと何が浮かびますか?

アヤ・エイトプリンス「たくさんあるんですけど、11月のLIQUIDROOMのワンマンが思い出深いですね。ギャンパレで過去最大のワンマンっていうのもあったし、この7人がホントにようやく団結してひとつのものを作り出せたライヴだと思えたので」

ユイ・ガ・ドクソン「私はアルバムが出せたこと。自分も初めてだし、アヤもギャンパレでは初めてのアルバムだったんで、この7人で出せたのが嬉しかった」

キャン・マイカ「何かこれっていうよりは、この7人になってからメンバーで話し合う機会が増えたりとか、日々の練習とか、みんなでスタジオ入って振り付けを考えたりとか、そういう日常的なことが思い出っていうか、良かったなって思ってます」

ヤママチミキ「私は12月の〈WACKのフェス。〉ですね。トレード終了を聞いた衝撃もあったし、EMPiREを含めて同じWACK所属の4組が一堂に会したなかで、〈これがGANG PARADEだよ〉っていうステージをこの7人でしっかり見せることができたステージだったなって、思い出に残ってます」

テラシマユウカ「アヤと同じ、LIQUIDROOMの景色が忘れられなくて。それまで私の中でいちばん良かったライヴって、アヤが入る前の〈WACK EXHiBiTiON〉でのステージだったんですけど、LIQUIDで〈わ、あれを超える良いライヴができた〉って思ったんですよ。あと、LIQUIDやるまでは自分たちがこれより大きくなる未来が自分の中で想像つかなかったのが、終わってから〈まだイケるかもしれない〉って思えて。先が見えたライヴでした」

ユメノユア「私もマイカと近くて、これがっていう出来事よりも、アヤがいてくれたことが全部……。その時々によってメンバー同士の関係性だったり、気持ちの部分だったりも違ったし、何か、ひとつに絞れないぐらい大きいものをアヤはギャンパレに与えてくれたなって」

ココ・パーティン・ココ「BiSとのツーマンも含めて3回もアヤと全国を回ってるんです。会場のキャパがだんだん大きくなったり、行ける場所が増えたり、ちょっとずつ広がってくのを一緒に体験してて、各都市にアヤとの思い出みたいなのができて、いまのツアーもちょっとした、移動の合間にご飯を食べたりとか、空き時間でみんなとトランプしたりとか……」

ユア「トランプ? ウノだよ」

ココ「あ、ウノだ。でもトランプしてた時期もある!」

ドク「厳しいな(笑)」

ココ「なので、ライヴ自体もなんですけど、7人で過ごす時間みたいなのを最近は大事にしてるというか。いまのツアーもそれを噛み締めながら回ってます」

――そんな良い状況下で、トレード終了を知った時は率直にどんな気持ちでしたか?

ミキ「私はある程度の覚悟はずっと持っててました。トレードが延長されたのも〈この7人のGANG PARADE〉っていうものを確立できてなかったのが理由だったと思うんですけど、LIQUIDぐらいからそれが固まってきたと思いはじめてて。〈どこかのタイミングでたぶん終わるんだろうな〉って気持ちは、たぶんみんなあったと思う」

ドク「うん、でも、最初はもちろん〈期間限定〉っていうのを意識に置いてたはずが、どこかで〈ずっとこのままなんじゃないか、もしかしたら……〉みたいに思っちゃってたんだなって、その時に気付きました。ショックだった」

ミキ「日にち的な驚きも大きいと思うんですよ。BiSが国技館でやることは知っていたけど、まさかその前にサキちゃんが戻ってくるとか、ましてやギャンパレも国技館に出るなんて思ってもいなくて、そこに対しての驚きがいちばん大きかったです」

アヤ「ドクもツアー中のMCで言ってたんですけど、本当に、スタッフさんもメンバーも遊び人(ファンの総称)も、ギャンパレの全部が愛おしくて、泣いちゃいますね、はい。寂しいです」

――寂しいからこそ意味があるというか。

アヤ「はい」

――逆に言うとギャンパレが勢いに乗らなければ、たぶんこのままだったんですよね。

ココ「残酷ですね」

ドク「残酷です~。悲しい」

ユア「良くなったからこそ壊していくのがスクラップ&スクラップ(WACK代表の渡辺淳之介が口走った理念)なのかな?って思うから、素直に受け止めなきゃいけないって思う部分もあるけど、やっぱ寂しいのが正直な……みんなそうだと思う。アヤもBiSの覚悟はできてると思うけど、ギャンパレも好きでいてくれてるから、みんな寂しいのはあるなって感じですかね」

 

MAKING THE ROAD

――まさに“BREAKING THE ROAD”、ということでシングルの話ですが、今回は初めてのメロコア仕立てになっています。

ユア「POP時代も含めてやったことない曲調ですね。個人的には凄い好きなタイプの曲なので嬉しいし、曲の幅がアルバムからまた広がったなって思います。作詞は渡辺さんと松隈(ケンタ)さんなんですけど、前の“Beyond the Mountain”の時と同じく、いまの私たちにピッタリな歌詞になってて、〈道を壊して作って〉っていうWACKのやり方やギャンパレの進むべきところが顕著に表れてて、ライヴとか気持ちめっちゃ入るなって思います」

――Hi-STANDARDのオマージュでもありますけど、いまのギャンパレにこういう曲がきたのはなぜだと思いますか?

ユア「私のハイスタのイメージって〈青春〉なんですよ。関係ないかもしれないけど、去年ハイスタのツアーを渡辺さんと観に行かせてもらったんです。私は初めてハイスタを観たんですけど、皆さん年齢では若くはないじゃないですか。でも、凄いイキイキしてたというか、若さを感じたんですよ。まだ青春っていうか。そういうイメージがいまのギャンパレに合ってるのかなって、“BREAKING THE ROAD”を何回も聴いてくうちに思えてきて。いつまでも青春でありたいなっていう」

――まさにそういう爽やかさがありますね。振付は今回もマイカさんが担当されて。

マイカ「普段あんまり聴かないジャンルの曲だったので、けっこう悩んで、みんなに助けられて出来た感じです。バンドの方って踊らないし、こういう曲調でのダンスって想像つかなくて、最初。でも、いまのギャンパレの猪突猛進な感じと、この7人のラストっていうのをどう表現するか考えて、みんなで肩組んで〈WE ARE THE ONE〉っていうのを目に見えてわかるようにしたり、サビは力強く〈壊してる〉感じを、会場全体で一緒にできるような振りにしたりとか。でも、Aメロとかイントロの部分はココドクがスタジオで〈こんなのいいんじゃん?〉みたいなアイデアを出してくれて、もう即採用みたいな感じで出来ました」

ユア「うまく組み合わせたよね(笑)」

マイカ「うまく組み合わせた。歌詞に〈勇者〉って入ってるので、ドラクエの……」

ミキ「パーティーを引き連れてるみたいなイメージで、最初は縦一列に並んでて、広がって、仲間が増えてみたいな」

マイカ「後付けっちゃ後付けなんですけど、そういうテーマみたいなのはあります」

――一方、カップリングの“とろいくらうに食べたい”は、すしざんまいコラボがあったり、渋谷のセンター街をジャックしたり、また違う広がりがありそうですね。

一同「すしざんまい~」

――これはヨウタ颶風(ハリケーン)ことマネージャーの辻山さんが作詞作曲ですが、もともとアルバム用のコンペの時からあった曲だそうですね。

ユア「そうですね、候補にあった曲です」

ココ「コンペの段階で渡辺さんから〈辻山がおもしろいの作ったんだよ~〉って教えてもらってて、内輪で“とろいくらうに食べたい”ブームがあったんですよ。それが去ったと思ったら、ここできたか!って。ただ、辻山さんの原石からは5億倍くらい良くなってる」

マイカ「磨かれたよね。出来上がりが想像つかなかった(笑)」

ユア「レコーディングの時はまだ編曲されきってなかったから、〈これ、どうなるんだろう〉って思いつつ歌ってたんですけど、完成して聴いたら〈めっちゃカッコイイじゃん〉って」

――曲自体は“ペニンシュラ”の流れにある感じで。

ココ「確かに。ちょっとクールなカッコイイ系ですね」

ドク「めっちゃ個人的な意見ですけど、Aメロは宇多田ヒカルさんが歌っててもおかしくないなって思うんですよ。凄く良い曲」

――それぐらいクールな印象。ギャンパレの曲の中ではかなりキーも低いですし。

マイカ「低いですね」

――で、“BREAKING THE ROAD”はずっと高いまま進んでいくし。

ココ「高いです。ま、いろいろ歌えちゃうんですよね、ギャンパレって(笑)」

――ですよね。これはどんな気持ちで歌っているものですか?

ユウカ「え? どんな気持ち? いちばん困る質問……う~ん、よくわからない歌詞なので、精神統一をして歌ってます(笑)」

ドク「でも、ゆゆ、いつにも増して凄い感情を乗せてる感じしたで。そうじゃない?」

マイカ「いつもと歌い方が違くて良かった」

ユウカ「ちょっと、ヨウタ颶風さんの曲が肌に合ったっぽいです(笑)」

――終盤のラップもヨウタ颶風さん?

ミキ「あれ、レコーディングの間、もう、ずっと、ず~っと言ってたんですよ。〈ワンツー、ワンツー、イェーイェー〉みたいなのを、ず~っと言ってて。みんなで、〈え? めっちゃ喋るじゃん〉って。めちゃくちゃ削られてますけど(笑)」

ユウカ「なんか喘いでたもんな」

ドク「外国のAVみたいな感じでした。〈カモン、カモーン、アーイェー〉って(笑)」

――やめろ(笑)。

ココ「で、これは私の野望なんですけど、外国の方もお寿司好きじゃないですか? やっぱ日本の文化は、サムライ、スシ、テンプラだと思うんで。もしこの曲が岡崎体育さんやピコ太郎さんみたいに跳ねたら、さいたまスーパーアリーナも一瞬で埋めれるし、海外に見つけてもらったら世界規模のスシガールズになれるじゃないですか? これでアメリカン・ドリームを狙ってます」

ドク「トロイクラウニタベターイ」

ココ「で、そこにマイカが〈江南スタイル〉とか“PPAP”ばりのキャッチーな振りを付けてくれてるので」

マイカ「カッコイイ感じかと思いきやサビでは……みたいな(笑)。良い裏切りをしたいなと思ってます」

ドク「そやな、松隈さんもレコーディングの時からノリノリで、江南系の動きをされてました。これは期待ができる」

ユア「これを聴いて〈何だコイツら?〉ってなって、“BREAKING THE ROAD”を聴いたら〈ヤベエ、カッコイイじゃん〉ってなって、もうウチらの虜ですよ(笑)」

ミキ「この話になるとみんなよく喋る(笑)」

――期待が膨らみますね。このインタヴューが載るのはシングルも出て、BLITZも終わった後になるんですが、〈MAKING THE ROAD〉後のギャンパレは、この先にどんな道を作っていくんでしょう?

ドク「みんなで言い合ってたんですけど、トレード前のギャンパレといまのギャンパレってホントに色が変わった。そうできたのは7人でやってきたからこそだし、それは今後もずっとずっと大切にしたい部分なので、この7人で作った色にまた何色かが加わった、新しい色にします。ギャンパレはスクラップ&ストロングなんで」

アヤ「GANG PARADEは永久に不滅です」

 なお、この取材後にココは100kmマラソンを涙の完走。ドクソンのソロ・デビューも控えていて、今後のグループの動きからもいよいよ目が離せません!