世界的にメガヒットした「ゴーストバスターズ」主題歌をはじめ、40年以上にわたってヒットソングの誕生に貢献してきたレイ・パーカーJr。彼が77年に始動したグループ、レイ・パーカーJr&レイディオがBillboard Liveに登場する。
近年は日本でも定期的に公演をおこなっているレイディオだが、3月29日(木)より東京&大阪で3日間にわたり開催される今回は、約一年ぶりの来日ツアーとなる。プロデューサー/作曲家/ギタリスト/シンガーとしてマルチに活躍してきた大音楽家が率いるグループが、今年はどんなステージを魅せてくれるのか? ここではレイ・パーカーJrの歩みをさくっとおさらいし、公演に備えたい。
レイ・パーカーの音楽的キャリアは、20代前半の77年にレイディオ名義でバンドを始動する以前よりスタートしている。その最初期でもっともビッグな仕事として挙げられるのは、ハニーコーンの69年の楽曲“Wants Ads”だろう。十代半ばの若きレイがギターで参加した同曲は全米1位を獲得し大ヒット。同曲は今もなおフリー・ソウル・クラシックとして親しまれており、2016年にリリースされたアヴァランチーズの『Wildflower』収録曲“Because I'm Me”では全面的にサンプリングされていたりも。
地元・デトロイトの有名ナイトクラブ〈The 20 Grand〉の箱バンだった縁で、前述の“Wants Ads”同様モータウン関連の作品に参加するようになったレイは、71年にタムラ(モータウン)からリリースされたスティーヴィー・ワンダーの『Talking Book』収録曲“Maybe Your Baby”の録音に参加。カッティング・ギター/リズム・ギターの腕が認められ、以降の数年は、バリー・ホワイトのバンドであるラヴ・アンリミテッド・オーケストラやチャカ・カーン、アレサ・フランクリン、ハービー・ハンコック、テンプテーションズなど、錚々たる面々の現場でプレイヤーとして大活躍していく。
そんな中、ハービー・ハンコックに自身のレコードを作るよう薦められ結成したのがレイディオ(後に現名義に変更)だ。レイのほかにジェリー・ナイト、アーネル・カーマイケル、ヴィンセント・ボナムの計4名で構成されたレイディオは、同年に初作『Raydio』を発表。その後も定期的にアルバム・リリースを重ねる中、レイがヴォーカルをとったスウィートでメロウなタイトル・チューン及びブラコン~AORど真ん中な4作目『A Woman Needs Love』(81年)がバンド史上最大のヒットとなる。しかしレイディオはこのタイミングで解散してしまうのだった。
その後レイは、シェリル・リンやニュー・エディションなどへの楽曲提供、鈴木雅之のシングル“Love Overtime”をプロデュースするなどプロデュース業にシフトしていくが、平行して82年には『The Other Woman』でソロ・デビューも果たしている。そんな中84年にいよいよ〈ゴーストバスターズ〉の主題歌を手掛けることになるが、同曲はレイ自身の楽曲としては初めて全米首位を獲得し、映画と共に時代を代表するナンバーとなった。
以降、90年代から現在に至るまで継続的な活動でシーンの第一線を駆け抜けてきたレイ・パーカー。ソロ活動をメインに、近年はジョー・サンプル&ザ・クレオール・ジョー・バンドへ参加したり、ボズ・スキャッグスの2013年作『MEMPHIS』と2015年作『A FOOL TO CARE』、ネイザン・イーストの2014年のソロ作『Nathan East』などにも参加、またライヴ活動も精力的におこなっている。
今回の来日公演は、結成メンバーのアーネル・カーマイケルを含む凄腕8名で登場。数え上げればきりがないほどの名曲の数々を親密な空間でたっぷり楽しもう!
参考テキスト:
レイ・パーカーJr&レイディオ来日記念特集(Billboard JAPAN)
「ゴーストバスターズ」主題歌で名を残すレイ・パーカーJr、名ギタリスト&甘美ソウルの達人である優男シンガーの魅力とは(bounce 394号)
LIVE INFORMATION
レイ・パーカーJr & レイディオ
2018年3月26日(月)Billboard Live OSAKA
1stステージ 開場 17:30/開演 18:30
2ndステージ 開場 20:30/開演 21:30
サービスエリア 11,800円/カジュアルエリア 10,800円
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2018年3月28日(水)、29日(木)Billboard Live TOKYO
1stステージ 開場 17:30/開演 19:00
2ndステージ 開場 20:45/開演 21:30
サービスエリア 10,800円/カジュアルエリア 9,800円
★詳細はこちら
■メンバー
レイ・パーカーJr(ヴォーカル/ギター)
アーネル・カーマイケル(ヴォーカル/パーカッション)
チャールズ・グリーン(サックス/キーボード)
ケビン・トニー(ピアノ)
ドミニク・トニー(キーボード)
ポール・ジャクソンJr(ギター)
レディー・フレディー(ベース)
ドネル・スペンサーJr(ドラムス)