インタビュー

NegiccoのNao☆が吉田豪に人生相談!? 新作『MY COLOR』リリース記念メンバー個別ロング・インタビュー

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自分のことをちゃんと好きでいられる状態にメンタルを保てる大人になりたいです

――アイドルとしての悩みは体力以外だと何かありますか?

「そもそも自分にそんなに自信があるわけじゃないので、ソロ・シングル(“菜の花”)を出すって言われたときもすっごい自信がないから、私がひとりで写ってて大丈夫なのかなとか……」

Nao☆の2018年のソロ・シングル“菜の花”
 

――まずジャケをどうするべきなのかとか考えちゃう。

「そうなんですよ。目とか口とかどっか一部でいいんじゃないかぐらいに思ってて」

――キメ顔を撮るっていうのが、まず難しいわけですね。

「無理です! キマってる顔みたいなのが撮れない。Negiccoでいるときはスイッチが入るんですけど、ひとりになるとそれができなくて」

――さっきもインタヴュー・カットを撮るだけでカチンカチンになってましたからね。

「そうなんですよ(笑)」

――この仕事を何年やってるのかっていう(笑)。

「ホントに苦手なので、もっともっと自分を好きに……昔よりはぜんぜん好きですけど、かえぽにもこないだ〈ブスだから〉って言ってたら、〈ブスだからって言ってるとブスになってくるんだよ!〉って注意されました」

――自己暗示とかありますからね。

「そうですね。韓国に行ったとき、韓国の方はすごい自分を愛してる感じがあったので、そんななかにいたら自分のことを好きになって帰ってこられたんですよ。自分のことをちゃんと好きでいられる状態にメンタルを保てる大人になりたいです」

Nao☆が韓国グルメや観光の魅力などをレポートした新潟空港のPR映像
 

――韓国に行ったのは大きかったんですね。

「ひとりでロケに行って、韓国のアイドルさんが好きだしコスメとかも好きだから、仕事的にはスケジュールがキツキツで心配だったんですけど、コーディネーターさんがすごくいい方で、私ぐらいの年齢の人がどういうものに興味があるとかわかってたので、忙しいなかでも自分の好きなものに浸れる時間があって」

――ソロ・シングルのジャケもすごいよかったじゃないですか、自然な感じで。

「ホントですか? いつもいるスタッフさんが奥で笑わせてくれて。でも、すごい緊張しました。カメラマンもモデルの柴田ひかりちゃんに頼んだので、いちファンというか職権乱用みたいになっちゃって(笑)。ひかりちゃんもいるしソロだしで、すごい緊張してたんですけど、パンダを頭に乗っけた瞬間は〈はぁ~〉って力を抜いていられたというか。

30歳の等身大の自分が出た写真がいいなと思ってたので、キメてる顔よりは笑ってる顔……〈30歳で幸せって思えてるかな?〉って何年か前に思ってたんですけど、30歳になったときに幸せだなって思えたので、その笑顔をちゃんと撮ってもらえたらいいなって。いろんな写真があったんですけど、これがいいって言って。ちょっと笑いジワとかもあるんだけど、その笑いジワすらも30年間の自分だし、いいなと思って(笑)」

――いい写真ですよ。素で笑って楽しそうにやってるのがいちばんいいので。

「あれが店頭にバババーッて並んだとき、インパクトがすごいなって思いました。ソロ・シングルもこうやって出させてもらえると思ってなかったので、誕生日記念として出させてもらったときに、ちゃんと自分で全部やったって思える作品に自分も関わることができて」

――好きな人に曲を頼んで。

※“菜の花”の作編曲はROUND TABLEの北川勝利
 

「はい。で、ここに絵を描きたいとか、“菜の花”は作詞もさせてもらって。私、字を書くことも好きで、だから帯の字とか品番とかも全部自分で書きたいって提案して。それで関わってくれた人の名前を書いていたときに、これだけの人がいるんだなってあらためて感動したというか、自分で書いたことによって知ることができたので、よかったなって思いました」

――自信がないなりにいろんなやり方がわかってきたというか。

「そうですね(笑)。ライヴの写真が昔から苦手で。いつもいい写真を撮ってくださってるんですけど、ライヴだと高いステージに向かって下から撮るじゃないですか。ファンの人がタグづけして〈かわいい!〉とか送ってきてくれても、〈えーっ! これがかわいいの? 大丈夫?〉とか思うんですけど、でもそんな自分のことも好きって言ってくれてる人がいるってすごいありがたいなと思って。だから、めちゃくちゃ自信があるわけではないんですけど」

――それを完全に克服できることはないだろうし、Negiccoみんなが自信を持つ日が来るとは思ってないですけど、それでいいと思うんですよ。

「いま、2人も自信は持ってなさそうな感じします」

――ぽんちゃは特に。かえぽは一回りして呑気になってました

「おっ、一時期ヤバかったからよかったです。でも、絵になる人たちなんで、かえぽとぽんちゃは」

――また始まりましたね、Negicco特有の〈私はブスだけどこの2人はかわいい〉〈いや、それはむしろ私のセリフ〉みたいなことを全員が言うシステム(笑)。

「ハハハハハハ! はい(笑)。でも、昔より終わりがこないことはなくなったので、それよりは成長したかなって」

――昔はずっとそれやってましたもんね。

「取材がそれだけで終わって、取材の人が困っちゃうっていうこともあったので。それに比べたら、それを止めることもできるし、笑い話っていうか〈自分ブスだけど、ハハハー〉で終わらせられるようになったことが成長したかなと思います」

 

武道館でできないんだなって思ったときにショックがなかったわけでもなくて

――Negiccoとしてはこの2年間どうでした?

「……2年前って何があったんだっけ?」

――前の取材が『ティー・フォー・スリー』を出してNHKホールのワンマンの直後で、武道館を目指して駆け抜けようとしてたけどいったんこの流れを止めますっていうタイミングでした。

「武道館をやめますっていうか、あそこに急いで立つことは自分たちらしくないっていうお話をさせてもらってから、家族とか親戚からも〈武道館に立つのかな〉とか、そういうちょっとしたワクワクは感じて胸が苦しくなってたんですけど。

いまも〈武道館に立つんだよね、それまで頑張って応援するからね〉とか〈絶対に行くからね〉って声をかけてくれるファンの方に対して言葉が詰まっちゃうときもあって。でもNegiccoのファンの方っていろんなNegiccoを受け止めてここまで来てくれたと思うので、ちゃんと話せばわかってくれるというか応援してくれて、悩んでるときも支えようとしてくれる人たちだと思ってるので」

――もちろんですよ!

「武道館に立つのを待ってる人って友達にもいっぱいいるし、自分はそこでできないんだなって思ったときにショックがなかったわけでもなくて。Perfumeさんが〈Negiccoちゃんがステージに立ちたいって言ってるから〉って武道館の〈三人祭〉に呼んでくださって、〈このステージを自分たちのリハーサルだと思ってくれていいからね〉って言ってくれて。

15周年が近くなってきてファンの方もそういう期待が大きくなってきて、武道館やるって言うんだろうなとか思ってるのが伝わってきて。それでもぽんちゃとかえぽと自分たちができることを探していけたし。

もちろん忙しいとメンタルもだんだん崩れてきちゃうんですけど、connieさんもそうだけどマネージャーとかクマさん(熊倉維仁)とかゆっきー(雪田容史/T-Palette RecordsのNegicco担当)とかがちゃんとここにいたいって思わせる場所を作ってくれてるなと思ってて。

期待してくれる人には申し訳ないんですけど、いまは武道館じゃなくて朱鷺メッセ※※だし、地元の大事なところだし、それこそウチら朱鷺メッセなんて絶対やれないと思ってたので。いまは落ち着いて、そこまで焦らずやれてる感じですかね」

※2015年9月22日の〈Perfume FES!!2015 ~三人祭~〉
※※7月21日に開催されるNegicco結成15周年記念ワンマン・ライヴ〈love my 15years at 朱鷺メッセ〉
 

――武道館やるやらないは本当に大きなことだったんですね。

「武道館やるかやらないかってすごいみんなで話し合いました。これが武道館の最後のチャンスかもしれなくて、自分もどうなるかわからないしって考えたときに、いまいる人たちに武道館を観てもらいたいと思ったんですよ。だからすごい焦って、絶対やりたいと思って。

もちろんそこはメンバーみんな意見も気持ちの熱さも違うし。2人が熱くないっていうことじゃないですけど……。その話が出て2人の反応を見たとき、自分とは違ったんだなって」

――自分は〈いまやらなきゃ!〉ってなってたけど。

「〈やりたい!〉っていう熱さと、〈ちょっといまは〉っていう違いというか。でも最終的に、connieさんも無理しないほうがいいんじゃないかって思ってたっぽかったんで」

――Nao☆ちゃんはちょっと無理しちゃってた感じだったんですか?

「そのときは……。Perfumeさんが立たせてくれようとしてたりとか、あと坂本真綾さんの15周年の武道館を観に行ったので、15周年で武道館でこれだけたくさんの方に〈おめでとう!〉って言われてる真綾さんを観たときに、すごい素敵なことだなと思って。真綾さんもたしか15周年のときに30歳だったんですよ。自分と一緒だと思って」

※2010年3月31日の〈坂本真綾 15周年記念ライヴ“Gift”〉
 

――あ、それボクも行きました。

「ホントですか? すごい! 私、菅野よう子さんはめっちゃ見えたけど真綾さんはぜんぜん見えないところにいたんですよ。真綾さんの15周年の武道館を観て、すごい素敵だなと思ったとき、自分がまさか15周年で武道館やるかやらないかって話になると思わなかったんで、そこで自分が熱く、ある意味夢を持っていたというか。

だけど、みんなで何回か話し合いをして、私が強引に武道館をやろうと思っても、私だけの意見で2人にはそこまでの熱さがなかったら、それはいい武道館にならないから、強引に〈やろうやろう!〉って言う気はなくて。

いままではリーダーとして、多少ヤバいときは引っ張らなきゃとかはあったんですけど、武道館に関しては冷静な自分もいて。ただ、その判断を下すときに気持ち的にはズシーンとなりました」

――あの時期、〈Nao☆ちゃんがヤバい!〉〈いっぱいいっぱいでテンパッちゃってる〉みたいな噂を聞きました。

「そうだったんですか……。自分ではわかんないけど、周りはわかってたんですね。ただ、武道館がダメだからNegiccoを辞めたいとか、昔みたいにNegiccoをやってていいのかみたいになることがここ数年ぜんぜんないので」

――いい流れにはなってますからね。

「まずは〈Negicco〉っていうところを築かないと。Perfumeさんも〈Perfume〉っていうところを築いて、築くまでがすごくたいへんというか。Negiccoもまだ完璧に築けたわけではないと思うし、Negiccoってアイドルでもなくアーティストでもなく〈Negicco〉っていうものになれてたらいいんですけど」

――ちょうどいいバランスだと思いますよ。アーティスト性の高い音楽をやりつつ、ちゃんとアイドルっぽさもあるので。正直な話、アイドルってキャリアを積んでいくと音楽性が趣味じゃなくなっていくことが多いんですけど、Negiccoに関してはそれがまったくないんですよ。音楽的に好きなラインを絶対に外さない信頼感はすごいあるし。で、メンバーもこれじゃないですか(笑)。

「ハハハハハハ! もちろんケンカもするし言いたいことお互い言うけど、ぽんちゃとかえぽでよかったなって思うし、家族みたいな存在以上というか、2人2人は表現が見つからない位置っていうか。いちばん大事にしたいし、大事にしなきゃいけない人たちだなって思ってます」

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