こんにちは、佐藤です。真のツアー・ファイナル……カナダはモントリオールから帰国しました。ライヴはもちろん最高で、お客さんの感想にもあったのですが「fhána concert was fuckin lit」(クソやべえ的な?)でした(笑)。モントリオールは気候もとても過ごしやすく、また、フランス文化圏の町並みも美しく、観光したりお店を4軒もハシゴして朝まで飲んだりと(笑)とても楽しかったです。
カナダと言えば、インディー・ロック・バンドのスターズとブロークン・ソーシャル・シーンが好きでした。スターズは去年最新アルバム『There Is No Love In Fluorescent Light』をリリース。ブロークン・ソーシャル・シーンは、ケビン・ドリューを中心にメンバーそれぞれが別々の音楽活動もしているグループ・バンドで、サウンド・プロデューサー3人というfhánaにも近い要素があるのですが、fhánaよりももっと大所帯かつ流動的で、一時期はメンバーが20人を超えていたことも。とにかく楽器が多いです(笑)。彼らも去年久々にアルバム『Hug Of Thunder』をリリース。変わらず独創的なポップ・サウンドを聴かせてくれました。個人的には、2005年リリースのバンド名を冠したアルバム『Broken Social Scene』を一番よく聴いたし、初期衝動とポップさが絶妙なバランスで攻めぎ合っていて好きです。このスターズとブロークン・ソーシャル・シーン、メンバー同士の交流もいろいろあるみたいなので、興味のある人は調べてみてください。
そして日本では、宇多田ヒカルさんの『初恋』、三浦大知さんの『球体』がとにかく素晴らしくてよく聴いています。お二方ともJ-Popシーンの中心であるにもかかわらず、オリジナリティー溢れる尖った音を聴かせてくれています。『初恋』の中では“Good Night”が特に好きでした。まず、ドラムとベース、リズムが格好いい。そして後半からのストリングスの使い方もリッチでジェントルで、こういうアレンジがしたいですね。三浦大知さんの『球体』は世界最新基準のトラックメイクで、アンビエント的なR&B。一曲一曲の構成も前衛的でとってもスリリングなアルバムです。そんななか、クライマックスにやってくる“世界”という曲は、比較的オーソドックスで壮大なバラードなのですが、それだけにこの対比がすごく泣けます。
この原稿を書いている数日後、fhánaは〈ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018〉に初出演しています。今年の夏は暑さがかなり大変ですが、体調崩さぬよう皆さまもお気を付けて!
佐藤純一
佐藤純一(FLEET)とs10rwのyuxuki waga、kevin mitsunaga(Leggysalad)という3人のサウンド・プロデューサーと、ヴォーカリストのtowanaとのユニット、fhánaのリーダー。キーボード/コーラスを担当。最新アルバム『World Atlas』(ランティス)が好評リリース中! そして現在はベスト盤の制作に着手した模様!? 気になる今後の予定は〈http://fhana.jp/〉にてチェックを!