コンプトンのデンジャラスなラッパー、YGの約2年ぶりとなるニュー・アルバムは、前作に不参加だった盟友DJマスタードとふたたびガッチリ手を組んだ一枚に。物騒なムードの漂う先行曲“Suu Whoop”のノリそのままに、アルバムのほうでも幕開けとなる“10 Times”からスリリングでハードボイルドな匂いが立ちこめており、マスタード印のバンギンな“Too Cocky”や“Too Brazy”(モジーが参加)、往年の西海岸風味な“Pussy Money Fame”など、YGの魅力をフルに活かした凶暴な楽曲が並ぶ。エイサップ・ロッキーや2チェインズ、ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲインらゲスト勢もアルバムに華を添えており、なかでもクエイヴォ(ミーゴス)とのメロウなコラボ“Slay”がひときわ印象に残る。